灸の臨床|腰痛① 病態と適応
この教材が答える問い腰痛を訴える人に灸を据える前に、施術者は何を確かめるのか
この教材の数字3つ
- 「腰痛の85%は原因不明」は日本のデータではない山口県の整形外科外来320人では、非特異的腰痛は22%だった
- 症状のない80歳の96%に椎間板変性がある所見があることは、痛みの原因が見つかったことを意味しない
- 急性腰痛は6週で疼痛得点が52から23へ落ちるこの自然経過が、あらゆる効果判定の基準線になる
臨床への翻訳本文からの抜粋
- 10章 医療へ戻す判断の組み立て
紹介の判断は、施術者の不安の強さではなく、上の項目の有無で決める。決め方をあらかじめ文章にしておくと、迷ったときに判断がぶれない。そして紹介したあとも施術を続けるかどうかは別の判断である。両者を混同しない。
- 13章 予後で層別する試みと、その限界
層別の道具を自院に入れるなら、「誰に何を割り当てるか」まで決めておかなければ意味がない。得点を取るだけで施術内容が変わらないなら、それは記録が増えただけである。第V部で扱う尺度も同じで、測った結果が判断を変えないなら測る必要はない。
- 17章 この分野で分かっていないこと
これらの空白のうち最後の1つは、鍼灸師の側から埋められる。本書で挙げた尺度は無料で、初診・4週・8週の3回取るだけである。自院の記録が国際的な尺度で残っていることは、将来この分野に証拠を足す土台になる。
この教材を読むとできるようになること
- 序章腰痛は診断名ではない本書に出てくる数値がどの研究デザインから来たものかを、読みながら見分けられるようになる。
- 第I部腰痛という問題の形腰痛の三分類を使い分け、有病率の数字を対象集団とセットで語れるようになる。
- 第II部画像は何を語り、何を語らないか患者が持ってきた画像所見を、否定も断定もせずに受け取れるようになる。
- 第III部危険信号を見分けるレッドフラッグを陽性尤度比とともに理解し、過剰紹介と見落としの両方を避けられるようになる。
- 第IV部経過と予後自然経過という基準線を持ったうえで、自院の成績を語れるようになる。
- 第V部測る・選ぶ臨床的に意味のある差の大きさを知り、灸を選ぶ前に置くべき選択肢を説明できるようになる。
分かっていないこと第17章「この分野で分かっていないこと」より
- 非特異的腰痛の割合が国で違う理由
- レッドフラッグの診断精度
- 鍼灸院でのレッドフラッグの精度
灸エビデンス・ライブラリ https://kyu.yomogi-base.jp