もぐさの特性
この教材が扱うこともぐさという材料を見る
この教材の数字3つ
- 艾は葉ではない葉の裏の毛茸(もうじょう)だけを集めたものである
- 精製とは薬理成分を捨てる工程親水性成分は58.67〜84.06%減り、熱源としての性質が残る
- 日本の艾・日本の施術環境での煙は測定された物質がいずれも基準値以下と報告されている
臨床への翻訳本文からの抜粋
- 08章 日本の艾・日本の施術環境での実測
この研究が施術者に与える実務的な指針は明確である。基準値以下であることと、換気が不要であることは別である。著者ら自身が「安全が確認されたとしても」作業環境の措置は実施しなければならないと明記している[12]。煙の量が多い日、狭い施術室、連続した施術——これらは原著が想定した「日本の通常の臨床施術」の条件から外れうる。
- 06章 モグサの品質評価——何を測れば等級になるのか
この結果は、施術者の感覚が何かを捉えていることを示している。しかし捉えているものが何なのかは、この研究からは分からない。温度は測られていないからである。「心地よい」という評価が温度曲線のどのパラメータに対応するのかは、『温度曲線』第12章で考察として扱う。現時点で言えるのは、感覚差が統計的に記録されたという事実までである。
- 09章 中国の艾のGC-MS——印象が食い違う理由
煙の安全性について施術者が依拠すべきなのは、日本の艾を日本の施術条件で測り、日本および国際的な基準値と突き合わせた研究である。すなわち松本ら(2016年)[12]である。そして両研究が共通して述べていることが一つある——換気である。結論の向きが違って見える二つの研究が、実務上の推奨では一致している。
この教材を読むとできるようになること
- 序章もぐさという材料を見るこの教材で扱う数値が「存在比」なのか「実濃度」なのかを、先に見分けられるようになる。
- 第I部もぐさの成分分析「良いもぐさ」を、産地や値段ではなく毛茸の割合・精製度・熟成年数という測れる量で語れるようになる。
- 第II部お灸の煙の成分分析煙の安全性について、どの物質が何と比べて多いのか少ないのかを、出典つきで答えられるようになる。
- 第III部本書が答えられなかったこともぐさについて何が分かっていないかを、次の研究者に渡せる粒度で言えるようになる。
分かっていないこと第10章「本書の範囲で見出せなかったこと」より
- 艾の精製度と最高温度を同一研究内で対応づけた定量データ
- 精製後の艾に、分泌毛と非分泌毛がどの比率で残るか
- 日本の艾の精製工程が、中国の研究と同じ成分変化を示すか
灸エビデンス・ライブラリ https://kyu.yomogi-base.jp