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Low Back Pain I — 全18章

灸の臨床|腰痛① 病態と適応

腰痛は診断名ではない。
灸を据えると決める前に、施術者が確かめるべきものを順に並べる。

第1版 2026年9月 分類と疫学 / 画像所見 / レッドフラッグ / 自然経過 / 評価尺度

3分で要点だけ

本文で示した報告値のうち、この教材の骨格になる3点。

  1. 「腰痛の85%は原因不明」は日本のデータではない山口県の整形外科外来320人では、非特異的腰痛は22%だった
  2. 症状のない80歳の96%に椎間板変性がある所見があることは、痛みの原因が見つかったことを意味しない
  3. 急性腰痛は6週で疼痛得点が52から23へ落ちるこの自然経過が、あらゆる効果判定の基準線になる

続けて読むなら 序章から。要点だけ確かめたい場合は 理解度チェック へ。

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序章

腰痛は診断名ではない

腰痛は症状の名前であり、疾患の名前ではない。だから「腰痛に効くか」という問いは、そのままでは答えられない。本書は、目の前の腰痛が何であり、何でないかを確かめる手順を並べる。灸そのものの効果は第2巻で扱う。

この部を読むと本書に出てくる数値がどの研究デザインから来たものかを、読みながら見分けられるようになる。

00本書の読み方とエビデンスの階層

本書は臨床判断の材料である。読者が最初に受け取るべきものは結論ではなく、結論の疑い方である。この章では、本書に出てくる数値がどの研究デザインから来たものかを見分けるための階層表を先に渡す。

0-1 なぜ腰痛から始めるのか

腰痛は、鍼灸院で最も多く聞く訴えの一つである。同時に、最も「効いた」「効かなかった」が語られやすい領域でもある。語られやすいのは、腰痛が放っておいても大きく動く症状だからである。第11章で見るとおり、急性腰痛は最初の6週間で疼痛得点が半分以下になる。この基準線を知らずに施術の効果を語ることはできない。

0-2 エビデンスの階層

表 0-1 本書で用いるエビデンス階層
階層デザイン典型的な弱点
A盲検化された無作為化比較試験、系統的レビュー・メタ解析、診療ガイドライン本数が少ない。偽刺激の妥当性が問われる
B横断研究・コホート研究(客観指標つき)因果を示さない。対象の選び方に依存する
C動物実験(機序の解明)刺激条件がヒト臨床と異なる
D非盲検の無作為化比較試験、単群前後比較出版バイアスが大きい
E症例報告、実技者の実測報告(非査読)査読がない。ただし測定条件が詳しいことがある

0-3 本書が扱わないこと

灸の効果は本書では扱わない。効果を論じるには、まず対象と物差しが要る。本書はその対象と物差しを用意する巻である。灸のエビデンスそのものは第2巻『灸の臨床|腰痛② エビデンスと臨床判断』で扱う。

読み方の注意

本書には診療ガイドラインの推奨がたびたび出てくる。ガイドラインは医師に向けて書かれたものであり、鍼灸師の施術範囲を定めたものではない。しかし、目の前の患者が他院で何を勧められているかを知らずに施術することはできない。本書はガイドラインを、施術者が状況を読むための地図として引用する。

第I部

腰痛という問題の形

どれだけの人がいて、そのうち何が原因の特定できる腰痛なのか。ここで使う数字は、国によって大きく違う。違う理由まで含めて押さえる。

この部を読むと腰痛の三分類を使い分け、有病率の数字を対象集団とセットで語れるようになる。

01障害の第1位という位置づけ

腰痛は、世界で最も多く障害を生み出している症状である。ただし「1位」という言い方は、何を数えたのかを添えなければ意味を持たない。

1-1 障害の指標で見た腰痛

Cochraneの運動療法レビューは、冒頭で「腰痛は少なくとも過去30年にわたり世界的に障害の主要な原因であり、直接的な医療費と生産性の損失に莫大なコストをもたらしている」と述べている[1]。ここで数えられているのは死亡ではなく、障害を抱えて生きた年数(YLD)である。腰痛が生命を奪うことはまれだが、生活を奪う量が大きい。

1-2 国単位の数値の一例

世界疾病負荷研究2021のデータを用いた米国の解析では、2021年の年齢標準化した腰痛の有病率は人口10万あたり10,670、YLD率は1,179であり、1990年と比べてそれぞれ7%8%減少していた[2]。腰痛の有病率は全年齢層で女性のほうが一貫して高く、修正可能な危険因子のうち高BMI・喫煙・職業上の人間工学的要因が、腰痛によるYLDの43%を占めていた[2]

数値の範囲についての注記

これは米国のデータである。日本の数値ではない。国ごとに医療制度・診断慣行・就労環境が異なるため、有病率をそのまま移し替えることはできない。次章以降で見るとおり、腰痛の数字はどこで誰が数えたかで大きく動く。

臨床への翻訳

腰痛の負担の中心は、痛みの強さではなく機能の喪失である。施術の目標を「痛みを消すこと」だけに置くと、患者にとって最も損失の大きい部分——動けない、働けない、眠れない——を測らないまま終わる。第14章で扱う生活機能の尺度は、この点を記録に残すためにある。

02三分類——特異的・神経根性・非特異的

腰痛を前にした臨床家が最初に行うのは、原因の特定ではなく分類である。国際的なガイドラインが共有している枠組みを確認する。

2-1 三つの箱に入れる

米国内科学会と米国疼痛学会の合同ガイドラインは、推奨の第1項でこう述べている。臨床家は焦点を絞った病歴聴取と身体診察を行い、腰痛患者を次の3つの広いカテゴリのいずれかに分類すべきである——非特異的腰痛神経根症または脊柱管狭窄に関連しうる腰痛他の特定の脊椎病変に関連しうる腰痛。病歴には、慢性の障害性腰痛への移行を予測する心理社会的因子の評価を含めるべきである(強い推奨、中等度の質の証拠)[3]

同ガイドラインの推奨2は、非特異的腰痛の患者に対して画像やその他の診断検査をルーチンには行うべきでないとしている(強い推奨、中等度の質の証拠)[3]。推奨3では、重度または進行性の神経学的欠損があるとき、あるいは病歴と身体診察から重篤な基礎疾患が疑われるときに、画像診断と検査を行うべきとしている[3]

2-2 「非特異的」という言葉の弱さ

日本の鍼灸領域からの総説は、非特異的腰痛の分類方法に統一見解がないことを指摘している[4]。この指摘は重要である。「非特異的」は、何であるかを述べた言葉ではなく、何でないかを述べた言葉だからである。第1巻にあたる『灸の臨床|不定愁訴①』で扱った「医学的に説明されない症状」と同じ構造を持っている。

臨床への翻訳

施術者が担う分類は、診断そのものではない。「この人は3つのうちどの箱に入る可能性があるか」を見立て、2番目・3番目の箱の可能性が残るなら医療につなぐ——それが役割である。第III部のレッドフラッグは、この判断のための道具である。

03日本では非特異的腰痛は22%だった

「腰痛の85%は原因が分からない」という言い方が広く流通している。日本で実際に測ると、まったく違う数字が出る。

3-1 山口県の横断研究

2015年4月から5月にかけて、山口県の整形外科外来を腰痛を主訴として受診した320人を対象とした横断研究がある。患者は自記式質問票に回答し、各病院の整形外科医が画像検査・神経学的診察・身体診察を実施した。腰痛の原因は、それらのデータに加えて局所麻酔とブロック注射の結果から判定された[5]

その結果、特異的腰痛と診断されたのは250人(78%)、診断がつかない非特異的腰痛70人(22%)であった[5]

表 3-1 山口県の整形外科外来における腰痛の内訳(320人)[5]
区分人数割合
特異的腰痛250人78%
非特異的腰痛70人22%

患者のVAS得点は、腰痛が5.8±0.18、下肢痛が2.9±0.18、下肢しびれの強さが1.9±0.16であった[5]

3-2 なぜ欧米の報告と違うのか

著者らは、日本における非特異的腰痛の頻度が過去の欧米からの報告より低かったこと、その理由はおそらく医療制度の違いによる腰痛診断のばらつきにあることを述べている。そして日本では78%が整形外科医によって特異的腰痛に分類されたとし、腰痛の確定的な原因を同定することが治療の質の向上に役立つはずだと結論している[5]

この数値の限界

これは整形外科外来を受診した人の内訳であり(階層B)、地域住民や鍼灸院の来院者の内訳ではない。また、局所麻酔とブロック注射まで用いて原因を追う診断手順は、すべての施設で同じではない。「日本では22%」を一般化して使うことはできない。使えるのは、割合は診断手順で大きく動くという事実のほうである。

臨床への翻訳

患者に「腰痛の8割以上は原因不明です」と説明するのは、日本の外来データとは逆向きの説明になる。施術者が言えるのは「原因を特定できるかどうかは、どこまで調べるかによって変わります」までである。この一言は、患者が医療機関での検査を軽んじることも、逆に過剰に求めることも防ぐ。

第II部

画像は何を語り、何を語らないか

患者が持ってくる「椎間板が潰れていると言われた」という一言を、施術者はどう受け取るべきか。この部の数字は、その受け取り方を変える。

この部を読むと患者が持ってきた画像所見を、否定も断定もせずに受け取れるようになる。

04症状のない人の背骨にも変性はある

腰痛のない人を撮影すると、どれくらい変性所見が見つかるのか。年代別に推定した系統的レビューがある。

4-1 33論文・3,110人

2014年4月までに発表された英語文献から、無症候の個人におけるCTまたはMRIの所見の有病率を報告した論文を集めた系統的レビューがある。33論文・3,110人の無症候者のデータが組み入れられ、20歳から80歳まで10歳刻みで年齢別の有病率が推定された[6]

表 4-1 無症候者における脊椎変性所見の年齢別有病率(33論文・3,110人)[6]
所見20歳80歳
椎間板変性37%96%
椎間板膨隆30%84%
椎間板突出29%43%
線維輪の亀裂19%29%

著者らの結論は、脊椎変性の画像所見は無症候者の高い割合に存在し、加齢とともに増加する、多くの画像上の変性所見はおそらく正常な加齢の一部であって疼痛とは関連していない、これらの所見は患者の臨床状態の文脈のなかで解釈されなければならない、というものである[6]

図 4-1 無症候者における椎間板変性の有病率(20歳と80歳)
椎間板変性
20歳
37%
椎間板変性
80歳
96%
椎間板膨隆
20歳
30%
椎間板膨隆
80歳
84%

対象はいずれも腰痛のない人である。横軸は報告された有病率。文献[6]の報告値による。

図 4-1 80歳の無症候者では、椎間板変性がほぼ全員に見られる。所見があることは、痛みの原因が見つかったことを意味しない。
臨床への翻訳

患者が「歳のせいで椎間板が潰れていると言われた」と語るとき、その所見は同年代の無症候者にも高い割合で存在する。この事実を伝えることは、患者の痛みを否定することではない。「あなたの背骨は壊れていて、もう戻らない」という理解から患者を降ろすためである。第II部の数値は、そのために使う。

05それでも所見と症状は無関係ではない

前章だけを読むと「画像所見は無意味だ」と結論しかねない。同じ研究グループが、逆側からも測っている。

5-1 症候群と無症候群を比べる

50歳以下の成人について、腰痛の自己申告がある群とない群でMRI所見の有病率を比較したメタ解析がある。280論文から14論文(5.0%)が組み入れ基準を満たし、3,097人(無症候1,193人=38.6%、症候1,904人=61.4%)が対象となった[7]

表 5-1 50歳以下で症状のある群に多かった所見(14論文・3,097人)[7]
所見オッズ比95%信頼区間p値
椎間板膨隆7.541.28〜44.56.03
脊椎分離症5.061.65〜15.53<.01
椎間板脱出4.381.98〜9.68<.01
Modic 1型変化4.011.10〜14.55.04
椎間板突出2.651.52〜4.62<.01
椎間板変性2.241.21〜4.15.01
表 5-2 腰痛との関連が認められなかった所見[7]
所見オッズ比95%信頼区間p値
Modic変化(全般)1.620.48〜5.41.43
脊柱管狭窄20.580.05〜798.77.32
高輝度領域2.100.73〜6.02.17
線維輪の亀裂1.790.97〜3.31.06
脊椎すべり症1.590.78〜3.24.20

表5-2の脊柱管狭窄に注目してほしい。オッズ比の点推定値は20.58と大きいが、信頼区間は0.05から798.77まで開いており、p値は0.32である。点推定値だけを引用すれば「20倍」と言えてしまうが、この推定にはほとんど情報がない。

要点

第4章と第5章は矛盾していない。所見は無症候者にも多いことと、一部の所見は症状のある人により多いことは両立する。画像は痛みを説明しないが、無関係でもない。

臨床への翻訳

施術者が避けるべきは両極である。「画像所見は意味がない」と言い切ることと、「所見があるからこの痛みだ」と結びつけることの両方が、報告値を超えている。言えるのは「所見だけでは痛みの原因を決められない。ただし、しびれや筋力低下があるなら所見の意味は変わる」までである。

06画像の話を持ち出す前に

画像をめぐる会話は、施術室で頻繁に起こる。ここでは、その会話が患者に何をするのかを扱う。

6-1 ガイドラインが警告していること

Lancetの腰痛シリーズは、多くの診療ガイドラインが同様のアプローチを推奨していること——生物心理社会モデルに基づく管理、自己管理と通常活動・運動の再開を支える教育を含む初期の非薬物治療、症状が持続する者への心理的プログラム、そして薬物・画像・手術の慎重な使用——を整理したうえで、世界的に証拠と実践の乖離が存在し、画像・安静・オピオイド・脊椎注射・手術が不適切に多く使われていると指摘している[8]

そして最も可能性のある前進として、実践を証拠に一致させること、脊椎の異常への注目を減らすこと、活動と機能(就労参加を含む)の促進を確実にすることを挙げている[8]

6-2 施術者にできること

鍼灸師は画像を撮らない。しかし、画像所見をどう語るかには関与している。「ここが潰れているから痛いんですね」という相槌は、脊椎の異常への注目を強める方向に働く。

臨床への翻訳

患者が画像所見を話題にしたとき、施術者が返せる言い方の例。「その所見は、痛みのない同年代の方にもよく見られるものです。ただし、しびれや力の入りにくさが出ているなら、そこは別に見る必要があります。今日は動きと痛みの出方を確かめます」。所見を否定せず、注目の焦点を機能へ移す。これはガイドラインが推奨している方向と同じである[8]

第III部

危険信号を見分ける

本書の中核である。施術者が腰痛を引き受けるとき、見落としてはならないものがある。ただし、その見分け方の精度は、思われているほど高くない。

この部を読むとレッドフラッグを陽性尤度比とともに理解し、過剰紹介と見落としの両方を避けられるようになる。

07レッドフラッグは何をどこまで当てるのか

椎体骨折を拾うためのレッドフラッグの診断精度を、Cochraneが2023年に検証している。結果は、多くの教科書の書きぶりより控えめである。

7-1 14研究

腰痛を呈する人における椎体骨折のスクリーニングに用いられるレッドフラッグの診断精度を評価したCochraneレビューがある。最終検索日は2022年7月26日。組み入れられたのは14研究で、内訳はプライマリケア6研究、二次医療5研究、三次医療3研究であった[9]

組み入れ研究における椎体骨折の全体有病率は0.68%から68%まで開いていた[9]。研究間および指標検査間の異質性が大きいためメタ解析は実施できず、解析は記述的に行われた[9]

7-2 役に立った少数の項目

表 7-1 陽性尤度比の高かったレッドフラッグ[9]
項目医療の場陽性尤度比95%信頼区間
打撲・擦過傷三次医療31.0918.25〜52.96
74歳を超える女性プライマリケア16.174.47〜58.43
4項目中2項目が陽性プライマリケア15.488.45〜28.36
70歳を超える高齢プライマリケア11.195.33〜23.51
5項目中4項目が陽性二次医療9.625.88〜15.73

著者らの結論は、利用可能な証拠が示唆するのは、椎体骨折が疑われる人をさらに精査するかどうかの臨床判断を導くうえで、潜在的に有用なレッドフラッグはごくわずかしかないということである[9]

要点

単独の項目で有用性が高かったのは、外傷の痕跡と高齢という、ごく限られたものだけである。そして複数の項目が同時に陽性であることが、単独の項目より情報量を持っていた(表7-1の「4項目中2項目」「5項目中4項目」)。

08陽性尤度比の読み方

前章の数値を使うには、陽性尤度比が何を意味するかを知っている必要がある。ここだけは統計の話をする。

8-1 尤度比が示すもの

陽性尤度比は、その所見が陽性だったときに、疾患である確からしさがどれだけ上がるかを表す。1に近ければ、その所見が陽性でも判断はほとんど変わらない。値が大きいほど、判断を疾患ありの方向へ動かす力が強い。

表7-1で最も大きかったのは、三次医療における打撲・擦過傷の31.09(95%CI 18.25〜52.96)である[9]。三次医療とは、外傷を負って搬送されてくる人が多い場である。同じ所見でも、どこで誰を診ているかによって意味が変わる。

8-2 場が変われば意味が変わる

第7章で見たとおり、組み入れ研究における椎体骨折の有病率は0.68%から68%まで開いていた[9]。同じ尤度比でも、もともとの確からしさが0.68%の場と68%の場では、検査後にたどり着く確からしさはまったく違う。

臨床への翻訳

鍼灸院は、有病率で言えばプライマリケアに近い低い側の場である。したがって、レッドフラッグが1つ陽性だったからといって、直ちに重篤な病態を意味しない。逆に、高齢・外傷歴・複数項目の同時陽性が揃ったときの意味は重い。この非対称を持っておくことが、過剰な紹介と見落としの両方を避ける。

09国際的な枠組みと施術者の位置

レッドフラッグを個別の項目としてではなく、臨床推論の流れのなかに置き直そうという動きがある。徒手療法の国際組織がまとめた枠組みを見る。

9-1 IFOMPTの枠組み

国際整形徒手理学療法士連盟(IFOMPT)は、重篤な脊椎病変をもつ可能性のある人の評価と管理を臨床家が行うための枠組みの開発を主導した。この枠組みは、まれではあるが重篤な脊椎病変は壊滅的で人生を変えうる、あるいは生命を制限しうる帰結をもたらすため、早期に同定し適切に管理されなければならないという認識に立っている[10]

そのうえで文書は、レッドフラッグ(重篤な脊椎病変の疑いを高めうる徴候と症状)が歴史的に用いられてきたこと、そして現在、大多数のレッドフラッグについて診断精度の質の高い証拠が存在しないことを明記している。枠組みの意図は、レッドフラッグの役割を明確にするための臨床推論の経路を提供することにある[10]

9-2 鍼灸師にとっての意味

この枠組みは理学療法士向けに作られたものであり、日本の鍼灸師の業務範囲を規定するものではない。しかし発想は共有できる。レッドフラッグはチェックリストではなく推論の入口であるという発想である。

臨床への翻訳

「レッドフラッグに1つでも当てはまったら紹介」という運用は、過剰紹介を生む。逆に「当てはまらないから大丈夫」も危険である。実務的には、(1)項目が複数重なるか、(2)経過のなかで新しく出現したか、(3)説明のつかない全身症状を伴うか——の3点を見る。これは第III部の証拠から導ける整理であり、ガイドラインの引き写しではない。

10医療へ戻す判断の組み立て

ここまでの数値を、施術室で使える形にまとめる。以下は本書が引用した知見から導ける整理であり、ガイドラインそのものではない。

10-1 その場で医療へつなぐ

  • 重度または進行性の神経学的欠損。米国内科学会・米国疼痛学会のガイドラインは、この場合に画像診断と検査を行うべきとしている(強い推奨、中等度の質の証拠)[3]
  • 膀胱直腸障害、会陰部の感覚異常を疑う訴え
  • 外傷の痕跡を伴う高齢者。打撲・擦過傷は三次医療で陽性尤度比31.09と報告されている[9]

10-2 施術しながら注意して見る

  • 70歳を超える高齢(プライマリケアで陽性尤度比11.19)[9]
  • レッドフラッグの複数項目が同時に陽性(4項目中2項目で15.48)[9]
  • 経過のなかで訴えの性質が変わったとき。強さの変動ではなく、部位・時間帯・体位との関係のパターンが変わった場合

10-3 過剰にしないための歯止め

Lancetのシリーズが指摘するとおり、画像・安静・オピオイド・脊椎注射・手術は不適切に多く使われている[8]。施術者が不安を理由に検査を勧め続けることは、この過剰使用に加担する側の行為になりうる。

臨床への翻訳

紹介の判断は、施術者の不安の強さではなく、上の項目の有無で決める。決め方をあらかじめ文章にしておくと、迷ったときに判断がぶれない。そして紹介したあとも施術を続けるかどうかは別の判断である。両者を混同しない。

第IV部

経過と予後

腰痛は動く症状である。何もしなくても動く。施術の効果を語るには、この動きの大きさを先に知っておかなければならない。

この部を読むと自然経過という基準線を持ったうえで、自院の成績を語れるようになる。

11急性腰痛はどこまで自然に良くなるか

発症間もない腰痛の患者を追跡したコホートを統合すると、時間とともにどう動くかが数字で見える。この数字が、あらゆる効果判定の基準線になる。

11-1 33コホート・11,166人

急性または持続性の腰痛の発症コホートを前向きに追跡し、疼痛・障害・回復を測定した研究を集めたメタ解析がある。33の独立したコホート・11,166人のデータが組み入れられた[11]

表 11-1 急性腰痛コホートにおける疼痛得点の推移(最大100点)[11]
時点分散加重平均95%信頼区間
ベースライン5248〜57
6週後2321〜25
26週後129〜15
52週後63〜10

最初の6週間で、疼痛得点は52から23へ落ちている。何の介入も前提としない自然経過として、この大きさの変化が起きる[11]

臨床への翻訳

急性腰痛の患者に3回施術して痛みが半分になったとき、それは自然経過の報告値の範囲内にある。「灸が効いた」と患者に説明することは、事実を超えている。言えるのは「この時期は自然にも大きく良くなります。動けるようにしておくことが次の再発を減らします」までである。効果を主張しないほうが、結果的に施術者の信用を守る。

12持続する腰痛はどう動くか

同じメタ解析は、すでに痛みが続いている人のコホートも統合している。動き方は急性とは違う。

12-1 落ちるが、途中で止まる

表 12-1 持続性腰痛コホートにおける疼痛得点の推移(最大100点)[11]
時点分散加重平均95%信頼区間
ベースライン5144〜59
6週後3329〜38
26週後2620〜33
52週後2316〜30

ベースラインの得点は急性コホート(52)とほとんど変わらない(51)。しかし52週後には、急性が6まで下がるのに対し、持続性は23で止まっている[11]

障害の推移は、急性コホートでは疼痛の推移とよく似ていた。持続性コホートでは、疼痛のほうが障害よりわずかに悪い結果となっていた[11]

著者らの解釈は、急性・持続性いずれの患者も最初の6週間で著明に改善し、その後は改善が緩やかになる、1年時点でも低度から中等度の疼痛と障害が残っている、特に持続性の疼痛コホートでそれが顕著である、というものである[11]

臨床への翻訳

慢性腰痛の患者では、自然経過による改善の余地が急性より小さい。したがって、施術で観察される変化が自然経過だけで説明できる幅も小さい。逆に言えば、慢性の患者でこそ施術の効果は判定しやすい。急性の患者で成績を語り、慢性の患者で判定を曖昧にするのは、順序が逆である。

13予後で層別する試みと、その限界

悪い経過をたどりそうな人を先に見分け、そこに手厚い治療を割り当てる。この発想は魅力的だが、結果は一致していない。

13-1 7つの試験、4か国

STarT Backは、予後不良のリスク予測に基づいて非特異的腰痛の患者を層別し、リスクに応じた治療を割り当てる方法である。2011年から2023年のあいだに、この方法に基づくプライマリケアと、それに基づかないケアを比較した無作為化比較試験が少なくとも7件公表されている。4か国にまたがるその結果は対照的で、有効性や効率性を示したものもあれば、比較対象を上回る便益を認めなかったものもある[12]

13-2 道具の問題か、実装の問題か

この総説の結論は、STarT Backのリスク予測ツールの予測性能には改善と拡張の余地があるものの、個人を適切なリスク区分に振り分ける性能だけでは試験結果のばらつきを説明できない、というものである。むしろこれまでの学びが示唆するのは、層別ケアを臨床実践に実装すること、そして専門職の行動を変えることの難しさが、対照的な試験結果の大部分を説明するということである[12]

要点

予測ツールが当たるかどうかと、それを使った医療が成果を出すかどうかは別の問題である。この区別は、鍼灸院に道具を導入するときにも同じように働く。

臨床への翻訳

層別の道具を自院に入れるなら、「誰に何を割り当てるか」まで決めておかなければ意味がない。得点を取るだけで施術内容が変わらないなら、それは記録が増えただけである。第V部で扱う尺度も同じで、測った結果が判断を変えないなら測る必要はない。

第V部

測る・選ぶ

効果を判定するための物差しと、その物差しでどれだけ動けば意味があるのか。そして、灸を選ぶ前に患者に置かれているべき選択肢を確認する。

この部を読むと臨床的に意味のある差の大きさを知り、灸を選ぶ前に置くべき選択肢を説明できるようになる。

14何を測るか——痛みと生活機能

腰痛の臨床試験が使っている物差しは、ほぼ共通している。同じものを施術記録で使えば、自院の数字を世界の数字と並べられる。

14-1 試験で使われている尺度

慢性腰痛に対する灸の系統的レビューは、疼痛強度(VASまたはNRS)、障害(ODIまたはRMDQ)、日本整形外科学会(JOA)スコア、生活の質(SF-36)を報告した研究を対象として集めている[13]。運動療法のCochraneレビューは、疼痛と機能制限のアウトカムを0から100点に再スケールして統合している[1]

表 14-1 腰痛の臨床試験で用いられる主な尺度
尺度測っているもの本書での出典
VAS/NRS疼痛強度文献[13][14]
ODI腰痛による生活機能の障害文献[13]
RMDQ腰痛による生活機能の障害文献[13]
JOAスコア症状・所見・日常生活動作の総合文献[13]
SF-36健康関連の生活の質文献[13]

14-2 痛みだけを測らない理由

第1章で見たとおり、腰痛の負担の中心は障害を抱えて生きた年数である[1]。痛みの点数が下がっても働けないままなら、患者にとっての損失は減っていない。逆に、痛みが残っていても仕事に戻れたなら、それは意味のある変化である。

臨床への翻訳

疼痛(NRS)と生活機能(ODIまたはRMDQ)を、初診・4週・8週で取る。2つを並べて記録すると、「痛みは変わらないが動けるようになった」という経過を見落とさずに済む。この経過は施術の失敗ではなく、報告に値する成功でありうる。

15臨床的に意味のある差はどこからか

統計的に有意であることと、患者が違いを感じることは別である。腰痛の領域では、その境目が数値で共有されている。

15-1 試験が置いている閾値

運動療法のCochraneレビューは、メタ解析の結果を解釈するにあたり、主要な比較(運動 vs 無治療・通常ケア・プラセボ)について、疼痛で15点、機能制限で10点の差を臨床的に重要とみなした(いずれも0〜100点に再スケールしたうえで)[1]

鍼のCochraneレビューは、偽介入との比較で得られた疼痛の平均差 −9.22(95%CI −13.82〜−4.61、VAS 0〜100)について、この差は15点または30%の相対変化という臨床的に重要な閾値に達していなかったと明記している[14]

表 15-1 本書で引用した2つのCochraneレビューが用いた臨床的重要性の閾値
レビュー疼痛機能
運動療法[1]15点(0〜100)10点(0〜100)
[14]15点または30%の相対変化——

15-2 この閾値が変えること

閾値を持つと、「有意差があった」という報告の読み方が変わる。有意でも閾値未満なら、患者が違いを感じる保証はない。逆に、有意でなくても点推定値が閾値を超えているなら、標本が小さかっただけかもしれない。

臨床への翻訳

自院でNRSを取っているなら、10段階で1.5点(100点換算で15点)を一つの目安に置ける。0.5点の変化を「効いています」と伝えるのは、報告値の使い方として不適切である。患者に伝えるべきは点数の増減ではなく、「この幅が、あなたが違いを感じ始める大きさです」という基準そのものである。

16灸を選ぶ前に置くべき選択肢

灸を据えるかどうかを決める前に、患者にはすでに何が推奨されているのか。ガイドラインの序列を確認しておく。

16-1 急性・亜急性腰痛

米国内科学会のガイドラインは推奨1で、急性または亜急性の腰痛をもつほとんどの患者は治療にかかわらず時間とともに改善することを前提としたうえで、臨床家と患者は表在温熱(中等度の質の証拠)、マッサージ、鍼、脊椎マニピュレーション(いずれも低い質の証拠)による非薬物治療を選択すべきであるとしている(強い推奨)[15]

この推奨のなかで、中等度の質の証拠がついているのは表在温熱だけである。その根拠となったCochraneレビューは9試験・1,117人を組み入れており、ヒートラップ療法が急性・亜急性腰痛の疼痛と障害を短期的に小さく減少させるという中等度の証拠があるとしている[16]。灸もまた皮膚に熱を加える手技である以上、この事実は第2巻の出発点になる。

16-2 慢性腰痛

推奨2では、慢性腰痛の患者に対して、臨床家と患者はまず運動、集学的リハビリテーション、鍼、マインドフルネスに基づくストレス低減(いずれも中等度の質の証拠)、太極拳、ヨガ、運動制御エクササイズ、漸進的弛緩法、筋電図バイオフィードバック、低出力レーザー療法、オペラント療法、認知行動療法、脊椎マニピュレーション(いずれも低い質の証拠)による非薬物治療を選択すべきであるとしている(強い推奨)[15]

16-3 運動療法の位置

運動療法のCochraneレビューは249試験を組み入れ、疼痛強度について運動群のほうが無治療・通常ケア・プラセボ群より15点良好(12〜18点良好)、機能制限について7点良好(5〜8点良好)と報告している。証拠の確実性はいずれも中等度である[1]。著者らの結論は、慢性腰痛の治療において運動はおそらく有効であるというものである[1]

16-4 灸はその序列のどこにいるか

慢性腰痛に対する灸の系統的レビュー(10RCT・987人)では、灸は疼痛(VAS)について西洋薬より良好(原著の表記でRR = −1.69、95%CI −2.40〜−0.98、p < 0.00001)、鍼より良好(RR = −0.47、95%CI −0.92〜−0.02、p = 0.04)であった。しかし体幹安定化トレーニングとの比較では有意差がなかった(RR = −0.41、95%CI −0.87〜0.05、p = 0.08)[13]。証拠のレベルは very low から low と判定されている[13]

この結果の読み方

灸が薬や鍼に勝ったことより、運動に勝てなかったことのほうが臨床的に重い。ガイドラインが慢性腰痛の第一選択に運動を置いていること[15]と、この結果は整合している。詳細は第2巻で扱う。

臨床への翻訳

灸と運動は競合しない。競合させると、証拠の弱いほうを選ばせることになる。施術者が取るべき位置は、「運動を続けられる状態にするために灸を使う」である。痛みで動けない人に温熱を当てて動ける範囲を広げ、そこから運動につなぐ。この順序なら、ガイドラインの推奨と施術が同じ方向を向く。

17この分野で分かっていないこと

本書の調査範囲で確認できた空白を列挙する。空白を正確に言えることは、埋まっていると誤解しているよりも臨床的に安全である。

17-1 分類の空白

非特異的腰痛の分類方法には統一見解がないと、日本の鍼灸領域からの総説が指摘している[4]。第3章で見たとおり、同じ「非特異的腰痛」の割合が、日本の整形外科外来では22%、欧米の報告ではより高い割合として報告されている[5]。この差が診断慣行の違いによるものか、患者集団の違いによるものかを分離した研究は、今回の調査範囲では見出せなかった。

17-2 危険信号の空白

大多数のレッドフラッグについて、診断精度の質の高い証拠が存在しない[10]。椎体骨折に限っても、メタ解析ができるだけの均質性がなく、記述的な解析にとどまっている[9]鍼灸院という場でのレッドフラッグの診断精度を測った研究は、今回の調査範囲では見出せなかった。

17-3 灸の側の空白

腰痛に対する灸を偽灸と比較した無作為化比較試験は、完了報告としては今回の調査範囲では見出せなかった。第2巻で詳しく扱うが、2025年に150人規模の偽灸対照試験のプロトコルが公表された段階である。

また、日本の鍼灸受療者を対象に、本書で扱った国際的な尺度(ODI・RMDQ・0〜100点に換算した疼痛得点)で経過を測った研究も、今回の調査範囲では見出せなかった。

表 17-1 本書で確認した空白の一覧
問い現時点で分かっていること
非特異的腰痛の割合が国で違う理由診断慣行の違いという著者らの推測[5]。分離した研究は見出せなかった
レッドフラッグの診断精度大多数について質の高い証拠がない[10]
鍼灸院でのレッドフラッグの精度見出せなかった
腰痛への灸の偽灸対照試験完了報告は見出せなかった
日本の鍼灸受療者の標準尺度での経過見出せなかった
臨床への翻訳

これらの空白のうち最後の1つは、鍼灸師の側から埋められる。本書で挙げた尺度は無料で、初診・4週・8週の3回取るだけである。自院の記録が国際的な尺度で残っていることは、将来この分野に証拠を足す土台になる。

演習

理解度チェック

全12問。選択するとその場で正誤と解説が出ます。各設問は設問文だけで解ける形にしてあり、前提となる研究やガイドラインの条件は設問文の中に書いてあります。自己確認のための演習であり、資格や技能を証明するものではありません。

第I部分類と疫学3問
Q01 出典:第2章

米国内科学会と米国疼痛学会の合同ガイドラインは、腰痛患者を病歴と身体診察によって3つの広いカテゴリに分類すべきとしている。その3つに含まれないものはどれか。

Q02 出典:第3章

山口県の整形外科外来を腰痛で受診した320人について、画像・神経学的診察・ブロック注射まで用いて原因を判定した横断研究では、非特異的腰痛と判定された割合はどれか。

Q03 出典:第1章第14章

腰痛が「世界的に障害の主要な原因」とされるとき、その根拠として数えられているものはどれか。

第II部画像所見2問
Q04 出典:第4章

腰痛のない人3,110人のCT・MRI所見を年齢別に推定した系統的レビューで、80歳の無症候者における椎間板変性の有病率はどれか。

Q05 出典:第5章

50歳以下の症候群と無症候群のMRI所見を比較したメタ解析で、脊柱管狭窄のオッズ比は20.58(95%CI 0.05〜798.77、p=0.32)と報告された。この結果の解釈として適切なものはどれか。

第III部危険信号3問
Q06 出典:第7章

腰痛における椎体骨折のレッドフラッグの診断精度を検証したCochraneレビュー(14研究)が、結論として述べていることはどれか。

Q07 出典:第8章

同じレビューでは、椎体骨折の有病率が組み入れ研究間で0.68%から68%まで開いていた。この事実が臨床判断に与える帰結はどれか。

Q08 出典:第9章

国際整形徒手理学療法士連盟が重篤な脊椎病変の評価枠組みを公表した際、レッドフラッグについて明記した現状認識はどれか。

第IV部・第V部経過・測定・選択肢4問
Q09 出典:第11章

33コホート・11,166人を統合したメタ解析で、急性腰痛の疼痛得点(最大100点)はベースラインで52だった。6週後の値はどれか。

Q10 出典:第12章

同じメタ解析で、急性コホートと持続性コホートの疼痛得点はベースラインでほぼ同じ(52と51)だった。52週後について報告されたことはどれか。

Q11 出典:第15章

鍼のCochraneレビューは、偽介入との比較で疼痛の平均差が−9.22(95%CI −13.82〜−4.61、VAS 0〜100)だったと報告したうえで、ある注記を加えている。その注記はどれか。

Q12 出典:第16章

慢性腰痛に対する灸の系統的レビュー(10RCT・987人)で、灸が有意差を示さなかった比較相手はどれか。

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付録

引用文献

本書の記述はすべて以下の資料に基づく。数値は原著の報告値であり、編者による換算・推定は行っていない。診療ガイドラインの記述は原文の推奨文から採った。

  1. Hayden JA, Ellis J, Ogilvie R, Malmivaara A, van Tulder MW. Exercise therapy for chronic low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2021. PMC8477273
  2. Jung R, Oh YS, Oh YS, Yon DK, Kim MS, Shin JH, Shin JI, Song TJ. The burden of low back pain in the United States, 1990 to 2021: An observational study based on the Global Burden of Disease Study 2021. Medicine (Baltimore). 2026. PMID 42601699
  3. Chou R, Qaseem A, Snow V, Casey D, Cross JT, Shekelle P, Owens DK, ほか. Diagnosis and treatment of low back pain: a joint clinical practice guideline from the American College of Physicians and the American Pain Society. Ann Intern Med. 2007;147(7):478-91. PMID 17909209
  4. 赤坂清和, 井上基浩, 中島美和, 菊池友和, 山口智, 近藤宏. 腰痛に対する鍼灸治療の展望. 全日本鍼灸学会雑誌. 2023;73(2):100-111. J-STAGE
  5. Suzuki H, Kanchiku T, Imajo Y, Yoshida Y, Nishida N, Taguchi T. Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study. PLoS One. 2016;11(8):e0160454. PMC4993356
  6. Brinjikji W, Luetmer PH, Comstock B, Bresnahan BW, Chen LE, Deyo RA, Halabi S, Turner JA, Avins AL, James K, Wald JT, Kallmes DF, Jarvik JG. Systematic literature review of imaging features of spinal degeneration in asymptomatic populations. AJNR Am J Neuroradiol. 2015. PMC4464797
  7. Brinjikji W, Diehn FE, Jarvik JG, Carr CM, Kallmes DF, Murad MH, Luetmer PH. MRI Findings of Disc Degeneration are More Prevalent in Adults with Low Back Pain than in Asymptomatic Controls: A Systematic Review and Meta-Analysis. AJNR Am J Neuroradiol. 2015. PMC7964277
  8. Foster NE, Anema JR, Cherkin D, Chou R, Cohen SP, Gross DP, Ferreira PH, Fritz JM, Koes BW, Peul W, Turner JA, Maher CG, Lancet Low Back Pain Series Working Group. Prevention and treatment of low back pain: evidence, challenges, and promising directions. Lancet. 2018. PMID 29573872
  9. Han CS, Hancock MJ, Downie A, Jarvik JG, Koes BW, Machado GC, Verhagen AP, Williams CM, Chen Q, Maher CG. Red flags to screen for vertebral fracture in people presenting with low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2023. PMC10448864
  10. Finucane LM, Downie A, Mercer C, Greenhalgh SM, Boissonnault WG, Pool-Goudzwaard AL, Beneciuk JM, Leech RL, Selfe J. International Framework for Red Flags for Potential Serious Spinal Pathologies. J Orthop Sports Phys Ther. 2020;50(7):350-372. PMID 32438853
  11. da C Menezes Costa L, Maher CG, Hancock MJ, McAuley JH, Herbert RD, Costa LO. The prognosis of acute and persistent low-back pain: a meta-analysis. CMAJ. 2012. PMC3414626
  12. Croft P, Hill JC, Foster NE, Dunn KM, van der Windt DA. Stratified health care for low back pain using the STarT Back approach: holy grail or doomed to fail? Pain. 2024. PMID 39037849
  13. Chen FQ, Ge JF, Leng YF, Li C, Chen B, Sun ZL. Efficacy and safety of moxibustion for chronic low back pain: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Complement Ther Clin Pract. 2020. PMID 32379643
  14. Mu J, Furlan AD, Lam WY, Hsu MY, Ning Z, Lao L. Acupuncture for chronic nonspecific low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2020. PMC8095030
  15. Qaseem A, Wilt TJ, McLean RM, Forciea MA, ほか, Clinical Guidelines Committee of the American College of Physicians. Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians. Ann Intern Med. 2017. PMID 28192789
  16. French SD, Cameron M, Walker BF, Reggars JW, Esterman AJ. Superficial heat or cold for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2006. PMC8846312

本書の数値はすべて原著論文の報告値である。編者が計算・換算した値は載せていない。信頼区間・p値・尤度比は原著の表記をそのまま用い、丸めていない。診療ガイドラインの記述は原文の推奨文から採り、二次資料からの孫引きはしていない。本文で扱った知見の確実性は、章ごとにエビデンス階層(A〜E)で明示した。第1版・2026年9月。