← 教材一覧 灸エビデンス・ライブラリ
Knee Pain I — 全18章

灸の臨床|膝痛① 病態と適応

どこまで進行した膝に、灸は届くのか。
この問いには、392人を重症度別に解析した答えがある。

第1版 2026年9月 疫学 / 重症度分類 / 適応の線引き / 評価尺度 / 治療条件

3分で要点だけ

本文で示した報告値のうち、この教材の骨格になる3点。

  1. X線上の膝OAと症状のある膝OAは倍以上ちがう日本の地域住民3,040人で54.6%と24.3%。所見があることは痛むことを意味しない
  2. 重症度によって灸の効き方が分かれていた392人の解析でKL grade 2・3は改善が大きく、grade 4は有意な効果が示されなかった
  3. 臨床的に意味のある差は数値で共有されている膝痛の大規模試験では疼痛1.8単位(0〜10)、機能6単位(WOMAC 0〜68)

続けて読むなら 序章から。要点だけ確かめたい場合は 理解度チェック へ。

1枚ノート この1冊をA4 1枚に。数字3つ・臨床への翻訳・分かっていないことだけを、本文からの抜粋で。印刷して配れます。 1枚ノートを見る →

序章

画像の重症度と、痛みの重症度

膝の痛みは、これまでの巻で扱ってきた訴えと性質が違う。画像で段階を測ることができ、その段階と症状がある程度対応し、そして段階によって灸の効き方が変わることまで報告されている。本書は、その段階の測り方と、適応の線引きを扱う。灸のエビデンスそのものは第2巻で扱う。

この部を読むと本書に出てくる数値がどの研究デザインから来たものかを、読みながら見分けられるようになる。

00本書の読み方とエビデンスの階層

本書は臨床判断の材料である。読者が最初に受け取るべきものは結論ではなく、結論の疑い方である。この章では、本書に出てくる数値がどの研究デザインから来たものかを見分けるための階層表を先に渡す。

0-1 この巻が他の巻と違うところ

本ライブラリの臨床編では、これまで「灸を偽灸と比べた試験が見つからない」という空白を繰り返し報告してきた。不定愁訴、腰痛、肩こりのいずれもそうであった。

膝痛は違う。この領域には、灸を偽灸と比べた無作為化比較試験が実際に積まれている。そのため本書の問いは「効くのかどうか」ではなく、どこまで進行した膝に届くのかという別の形をとる。

0-2 エビデンスの階層

表 0-1 本書で用いるエビデンス階層
階層デザイン典型的な弱点
A盲検化された無作為化比較試験、系統的レビュー・メタ解析、診療ガイドライン偽刺激の妥当性。部分集団解析の事前規定
Bコホート・横断・比較研究(客観指標つき)因果を示さない。対象の選び方に依存する
C動物実験(機序の解明)刺激条件がヒト臨床と異なる
D非盲検の無作為化比較試験、単群前後比較出版バイアスが大きい
E症例報告・症例集積、専門家の合意診断精度や頻度を推定できない

0-3 本書が扱わないこと

灸のエビデンスの全体像は本書では扱わない。偽対照試験の内容、メタ解析、運動療法や鍼との比較は第2巻『灸の臨床|膝痛② エビデンスと臨床判断』で扱う。本書は目の前の膝が、どの層に属するのかを見立てることに絞る。

読み方の注意

本書の中核である第III部は、392人の試験を重症度別に分けた解析に基づく。部分集団解析は、事前に規定されていれば強い情報になるが、後から軸を選べば偶然の差が見つかりやすくなる。この解析をどう扱うべきかは、第9章で正面から論じる。

第I部

膝痛という問題の形

日本にどれだけの人がいて、そのうち何人が痛みを訴えているのか。この2つの数字の差が、本書の出発点になる。

この部を読むと画像上の膝OAと症状のある膝OAを別の量として語り、併存する訴えまで見渡せるようになる。

01X線上の膝OAと、症状のある膝OA

日本の地域住民コホートは、画像上の変形性膝関節症と、症状のある変形性膝関節症を分けて数えている。その差は2倍を超える。

1-1 ROAD studyの2時点

2005年から2007年に実施されたベースライン調査では、3,040人(男性1,061人・女性1,979人、平均年齢70.3歳)が問診とX線撮影を含むすべての検査を完了した。2015年から2016年の第4回調査では、2,893人(男性895人・女性1,998人、平均年齢68.9歳)が同一の評価を完了した。膝OAはKellgren-Lawrence分類で定義されている[1]

表 1-1 日本の地域住民における膝OAの有病率[1]
区分ベースライン(2005-2007)第4回(2015-2016)
膝OA(X線上)54.6%39.3%
 男性42.0%26.9%
 女性61.5%44.9%
症状のある膝OA24.3%20.6%
 男性16.9%14.2%
 女性28.3%23.5%

いずれの減少も統計的に有意であった(p < 0.0001)。著者らは、この10年間隔の地域住民調査で膝OAと症状のある膝OAの有病率がともに有意に減少したこと、この望ましい変化は現在の人口の若返りを示唆し、将来の障害の発生減少に寄与しうることを述べている[1]

1-2 2つの数字の差が意味すること

ベースラインでは、X線上の膝OAが54.6%であるのに対し、症状のある膝OAは24.3%である。画像上の変化を持つ人の半分以下しか、症状を訴えていない。

図 1-1 X線上の膝OAと症状のある膝OA(ベースライン調査)
X線上の膝OA
女性
61.5%
X線上の膝OA
男性
42.0%
症状のある膝OA
女性
28.3%
症状のある膝OA
男性
16.9%

2005〜2007年のベースライン調査(3,040人)による。文献[1]の報告値。

図 1-1 画像上の変化を持つ人の半分以下しか、症状を訴えていない。画像所見は施術の必要性を意味しない。
臨床への翻訳

「レントゲンで軟骨がすり減っていると言われた」という訴えに対して、施術者がまず持っておくべき数字がこれである。X線上の変化は、その年代では多数派に近い。変化があることと、痛むことは別である。ただし本書の第5章で見るとおり、両者がまったく無関係というわけでもない。腰痛の巻で扱った画像所見の問題(『灸の臨床|腰痛①』)と同じ構造だが、膝では対応の度合いがやや強い。

02膝痛は単独では来ない

膝が痛い患者は、たいてい他の部位も痛い。日本のコホートはその併存を数値で示している。

2-1 膝痛と腰痛の併存

日本の地域住民コホートの調査結果から、膝痛と腰痛の有病率とその併存が明らかにされている。膝痛と腰痛の両方を有する者は全体の12.2%であり、膝痛の存在が腰痛に影響し、その逆も同様であることが示された[2]

2-2 運動器疾患の重なり

同じコホートのベースライン結果から、膝OA・腰椎症・股関節OA・骨粗鬆症の有病率と併存が算出されている。膝OA・腰椎症・股関節OAは集団内で重なっており、膝OAと腰椎症は42.0%の人で併存していた[3]

また、ロジスティック回帰分析により、高血圧・耐糖能異常・軽度認知障害が膝OAのリスクを高めることが示された[3]

第3回調査(7年追跡)のデータを用いて日本整形外科学会が提唱するロコモティブシンドロームの評価法で算出した年齢・性別調整有病率は、ステージ1が69.8%、ステージ2が25.1%と推定されている[3]

臨床への翻訳

膝を主訴に来院した患者の多くは、腰も痛い。施術を膝だけに閉じると、患者が最も困っている動作——立ち上がる、階段を降りる——を改善しきれないことがある。逆に、膝の訴えの背景に腰椎の問題があることも、この併存率は示唆する。問診で腰の状態を必ず聞く根拠は、この数字にある。

03日本の鍼灸領域が捉えてきた病態

日本の鍼灸・物理療法の領域は、膝OAの病態をどう捉え、どこに刺激を向けてきたか。総説の記述を確認する。

3-1 有症状患者数

日本の東洋医学系物理療法の領域からの教育講演では、変形性膝関節症の有症状患者数は約800万人と言われ、超高齢化社会において増加していると述べられている[4]

3-2 痛みの発生源についての捉え方

同じ総説は、膝OAの病態が軟骨の変性に起因するとしたうえで、関節周囲の筋緊張や筋腱付着部の循環障害が疼痛の原因とされていると記している[4]

治療方針としては、膝関節周囲の筋腱付着部・靭帯・神経・関節裂隙などの圧痛部位を対象とする「病態に基づく組織選択性」が示されている。軽度の膝OAに対する効果については、疼痛の軽減とQOLの向上に寄与することも示唆されたとされている[4]

この記述の位置づけ

これは教育講演の総説であり、対照を置いた試験の報告ではない。「軽度の膝OAで効果が示唆された」という記述の強さは、第III部で見る392人の試験の結果とよく符合するが、両者は独立した情報である。

臨床への翻訳

軟骨そのものは施術で変えられない。日本の臨床が向けてきた刺激の対象は、軟骨ではなく関節周囲の筋腱付着部と循環である[4]。この整理は、患者への説明にそのまま使える。「すり減った軟骨を戻すのではなく、そのまわりで固くなっているところと血のめぐりに働きかけます」という説明は、報告されている病態理解と一致している。

第II部

重症度をどう測るか

膝痛には、他の訴えにはない道具がある。画像による段階分けである。ただしそれが何を測っているのかを知らなければ、使えない。

この部を読むとKellgren-Lawrence分類が何を測っているかを説明し、評価尺度を役割で使い分けられるようになる。

04Kellgren-Lawrence分類が測っているもの

膝OAの重症度は、単純X線の所見を段階に分けて表される。本書に出てくる試験のほとんどが、この分類で対象を層別している。

4-1 本書での用いられ方

日本の地域住民コホートは、膝OAをKellgren-Lawrence分類(以下KL分類)で定義している[1]。第III部で扱う392人の試験も、KL分類のgradeごとに解析を行っている[5]

KL分類は骨棘の形成や関節裂隙の狭小化といったX線上の構造変化を段階に分けたものである。痛みの強さや生活機能を測ったものではない。

4-2 構造と症状は別の量である

第1章で見たとおり、X線上の膝OAは54.6%、症状のある膝OAは24.3%であった[1]。同じ集団を同じ時点で測って、この差が出る。KL分類が測っているのは前者である。

要点

KL gradeは、施術の必要性を示す指標ではない。それは構造がどこまで変わっているかを示す指標である。ただし第5章で見るとおり、その構造の段階は症状の強さと無関係ではない。

05重症度と症状は対応するのか

画像と症状の乖離は、腰痛の巻で繰り返し扱った。膝ではどうか。392人のデータが答えを持っている。

5-1 KL gradeとWOMAC得点の関係

症状のある膝OA患者392人を対象とした試験のKL grade別解析では、次のことが報告されている。KL grade 2・3・4の患者は、grade 1の患者よりも疼痛・機能・WOMAC総得点が有意に高かった[5]

さらにSpearmanの相関検定により、KL gradeとWOMACの疼痛・機能・こわばりの各得点および総得点のあいだに正の相関が示された。すなわちKL gradeが高いほど、これらの得点も高かった[5]

5-2 第1章の所見と矛盾しない

この結果は、第1章で見た「X線上のOAの半分以下しか症状を訴えていない」という所見と矛盾しない。両者は別のことを述べている。

表 5-1 2つの所見が述べていることの違い
所見対象述べていること
地域住民の有病率[1]地域住民全体X線上の変化があっても、多くは症状を訴えていない
KL gradeとWOMACの相関[5]症状のある膝OA患者症状を訴えている人のなかでは、gradeが高いほど症状も重い

整理すると、画像所見は症状の有無を決めないが、症状のある人のなかでは重症度の目安になりうるということである。

臨床への翻訳

患者が持ってきたX線の所見を、2段階に分けて扱う。第一に、所見があること自体は施術の理由にならない(第1章)。第二に、すでに痛みを訴えている患者では、所見の段階が症状の重さとある程度対応する(本章)。そして第III部で見るとおり、その段階は灸の効き方そのものとも対応していた。

06WOMACという物差し

膝OAの試験のほぼすべてが、この尺度で結果を報告している。読むためにも、自院で使うためにも、中身を知っておく。

6-1 何を測っているか

WOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)は、疼痛・こわばり・身体機能の3領域を患者の自己記入で測る尺度である。本書で扱う試験は、いずれもWOMACの下位尺度と総得点を報告している[5][6]

膝痛のもう一つの主要な指標は、疼痛強度を直接測るVAS(視覚的アナログ尺度)または数値評価尺度である。灸のメタ解析はWOMACとVASの両方を主要アウトカムに置いている[7]

6-2 歩行時間という客観指標

患者の自己記入に依存しない指標も用いられている。第III部で扱う392人の試験では、15メートルを最速で歩く時間が測定された[6]

著者らは、この15m最速歩行時間が膝OA患者の歩行能力の変化を反映する指標として機能すると述べている[6]

表 6-1 膝痛の試験で用いられる主な指標
指標測っているもの本書での出典
WOMAC疼痛・こわばり・身体機能(自己記入)文献[5][6][7]
VAS/数値評価尺度疼痛強度(自己記入)文献[7]
15m最速歩行時間歩行能力(実測)文献[6]
SF-36健康関連の生活の質文献[15]
臨床への翻訳

15m最速歩行時間は、自院でも測れる。ストップウォッチと廊下があればよい。患者の自己申告と別の軸を持つことは、施術者が自分の思い込みを検算する手段になる。「痛みは変わらないが速く歩けるようになった」という経過は、記録に残す価値がある。

07臨床的に意味のある差の大きさ

統計的に有意であることと、患者が違いを感じることは別である。膝痛の領域では、その境目が数値で共有されている。

7-1 鍼の大規模試験が置いた閾値

50歳以上で慢性の膝痛をもつ282人を対象とした無作為化比較試験では、主要アウトカムとして平均膝痛(数値評価尺度、0=痛みなし〜10=考えうる最悪の痛み)と身体機能(WOMAC、0=困難なし〜68=極度に困難)が用いられた。そして臨床的に意味のある最小の差(MCID)として、疼痛は1.8単位、機能は6単位が設定された[8]

7-2 この閾値の使い方

表 7-1 膝痛の試験で用いられた臨床的重要性の閾値[8]
指標尺度の範囲臨床的に意味のある最小の差
膝痛(数値評価尺度)0〜101.8単位
身体機能(WOMAC)0〜686単位

閾値を持つと、報告の読み方が変わる。有意でも閾値未満なら、患者が違いを感じる保証はない。第2巻で見るとおり、この試験では鍼もレーザー鍼も、偽レーザーと比べて疼痛・機能のいずれも有意差がなかった[8]

臨床への翻訳

自院で0〜10の尺度を使っているなら、1.8点が一つの目安になる。0.5点の変化を「効いています」と伝えるのは、報告値の使い方として不適切である。患者に伝えるべきは点数の増減ではなく、「この幅から、あなたが違いを感じ始めます」という基準そのものである。

第III部

灸が届く層・届かない層

本書の中核である。392人を重症度別に分けた解析は、施術の適応判断に直接使える形の答えを持っている。

この部を読むと重症度によって灸の適応の線を引き、進行した膝に何を目標として置くかを決められるようになる。

08重症度別に効果を見た392人の解析

同じ試験の参加者を、画像上の重症度で分けて効果を見た解析がある。膝痛の巻でこれを扱わないわけにはいかない。

8-1 もとの試験

症状のある膝OA患者392人が、レーザー灸の治療群と偽レーザー対照群に1対1で無作為に割り付けられた。治療は週3回・4週間である。アウトカムはWOMAC得点とVAS得点で測られ、主要アウトカムはベースラインから4週までのWOMAC疼痛得点の変化とされた[5]

392人のうち364人(92.86%)が試験を完了した[5]

8-2 ベースラインでの重症度と症状

第5章で述べたとおり、KL grade 2・3・4の患者は grade 1 の患者より疼痛・機能・総得点が有意に高く、KL gradeとWOMACの各得点には正の相関が認められた[5]

8-3 4週後の改善の大きさ

表 8-1 KL grade別に見た4週後の改善(grade 1 との比較)[5]
KL grade疼痛・機能・総得点の改善こわばりの改善
grade 2grade 1 より有意に大きいgrade 1 より有意に大きい
grade 3grade 1 より有意に大きい——
grade 4有意な効果が示されなかった

著者らの結論は、レーザー灸はKL grade 2 と 3 の膝OAにおいて疼痛の軽減と機能の改善に有効である、というものである[5]

この解析の位置づけ

これは無作為化比較試験の参加者を、あらかじめ規定された重症度の軸で分けた解析である(階層A)。ただし部分集団解析であることに変わりはなく、各gradeの人数は392人を4分割したものになるため、単一グループでの検出力は本体の試験より落ちる。この点は次章で扱う。

09grade 4で効果が示されなかったこと

この1行が、本書で最も臨床判断を変える所見である。だからこそ、正確に読む必要がある。

9-1 報告されたこと

KL grade 4 の患者では、レーザー灸治療後に有意な効果が示されなかった(原著の表現は「showed no significant effects」)[5]

9-2 「効果がなかった」と「効果を示せなかった」の違い

ここは慎重に読む。有意差が出なかったことは、効果がゼロであることの証明ではない。部分集団に分けた時点で各群の人数は減っており、真に小さな効果があっても検出されない可能性がある。

同時に、次の点も事実である。同じ試験の同じ介入で、grade 2と3では grade 1 より大きな改善が観察され、grade 4 では観察されなかった[5]改善の大きさが、重症度に対して単調に増えていなかったということである。

表 9-1 この所見から言えること・言えないこと
言えること言えないこと
grade 4 で有意な改善は観察されなかったgrade 4 に効果がまったくない
grade 2・3 では grade 1 より改善が大きかったgrade 1 には使うべきでない
改善は重症度に単調に比例していないgrade 4 に施術してはならない

9-3 なぜこの区別が重要か

施術者がこの所見を「grade 4には効かない」と単純化すると、二重の誤りを犯す。第一に、報告されていないことを断定することになる。第二に、患者にとっての目標が疼痛の軽減だけとは限らない——歩行、睡眠、外出の頻度は、この試験の主要アウトカムではない。

臨床への翻訳

進行した膝の患者に対して、施術者が持つべき言葉はこうである。「膝の変化がかなり進んだ方では、灸で痛みが軽くなったというはっきりした結果は出ていません。ですから、痛みを取ることを目標に長く通っていただくことは勧めません。そのうえで、動きやすさや眠りやすさが変わるかどうかを、期間を決めて一緒に確かめましょう」。効果を約束せず、判定の期限を先に置く。

10適応をどこで線引きするか

前2章の知見を、施術室で使える判断の形にまとめる。以下は本書が引用した知見から導ける整理であり、ガイドラインではない。

10-1 重症度による整理

表 10-1 重症度と、施術者が置くべき目標
報告されていること施術の位置づけ
症状がない(X線所見のみ)地域住民の多数派に近い[1]施術の対象ではない。所見を理由に通わせない
KL grade 1(症状あり)grade 2・3より改善が小さかった[5]他の選択肢との併用を前提に置く
KL grade 2・3grade 1 より改善が大きかった[5]灸の適応がもっとも支持される層
KL grade 4有意な効果が示されなかった[5]疼痛軽減を目標に置かない。期限を決めて判定する

10-2 重症度が分からないとき

鍼灸院では画像を撮らない。患者がX線の結果を持っていない場合、KL gradeは分からない。そのときに使えるのは、第II部で扱った症状側の指標である。

ただし注意が要る。第5章で見たとおり、症状のある患者のなかではKL gradeとWOMAC得点に正の相関があった[5]。つまり症状が重いことは、画像上の進行が進んでいる可能性を高める。症状の重さだけを見て「重症だから灸をたくさん」と考えると、報告値とは逆方向の判断になりうる。

臨床への翻訳

患者が整形外科でX線を撮っているなら、grade を聞き取って記録する。それだけで、この表を使った説明ができる。撮っていない場合、症状が非常に重く日常生活が大きく制限されている患者では、まず医療機関の評価を勧める(第16章)。灸を続ける判断は、その後でよい。

第IV部

何が効果を左右するか

誰に据えるかが決まったら、次はどう据えるかである。頻度・種類・深さについて、報告されている条件を確認する。

この部を読むと頻度・種類・刺激量という、施術者が自分で決められる変数を報告値と照らせるようになる。

11治療の頻度

灸のメタ解析は、効果そのものだけでなく、治療の条件についても解析している。頻度は施術者が自分で決められる変数である。

11-1 43研究・4,008人

7つのデータベースを2024年6月まで検索し、膝OAに対するさまざまな灸の介入を集めた系統的レビューとメタ解析がある。バイアスリスクはCochraneのROB2で、主要アウトカムの証拠の確実性はGRADEで評価された。組み入れられたのは43研究・4,008人である[7]

主要アウトカムはVAS、WOMAC、こわばり、身体機能、総有効率であり、副次アウトカムに有害事象と灸の治療レジメンが置かれた[7]

11-2 頻度についての所見

このメタ解析は、週3回を超える治療頻度は、それより少ない回数より有効であったと報告している[7]

第III部で扱った392人の試験も、週3回・4週間という頻度で実施されている[5][6]

この所見の限界

これはメタ解析における研究間の比較であり、同一の患者に異なる頻度を割り付けた試験の結果ではない。頻度の高い試験と低い試験では、他の条件も違っている可能性がある。因果として読むには弱い。

臨床への翻訳

週1回の通院で4週続けて判定するという設計は、報告されている条件より頻度が低い。効果が出なかったときに「灸が効かない人だった」と結論する前に、報告値と同じ条件で試したのかを確認する。同時に、週3回の通院が現実的でない患者に対しては、その条件を満たせないことを承知のうえで設計する必要がある。

12灸の種類

同じメタ解析は、灸の種類による差についても報告している。施術者が選べるもう一つの変数である。

12-1 報告された比較

43研究・4,008人のメタ解析では、灸は全体としてWOMAC得点を−0.91(95%CI −1.12〜−0.70)、VAS得点を−0.95(95%CI −1.18〜−0.73)有意に減少させた[7]

そのうえで著者らは、電子灸(electronic moxibustion)がもっとも有効な介入であったと報告している[7]

総有効率は灸群93.11%、対照群76.41%であった[7]

表 12-1 膝OAに対する灸のメタ解析(43研究・4,008人)[7]
アウトカム効果量95%信頼区間
WOMAC−0.91−1.12〜−0.70
VAS−0.95−1.18〜−0.73
総有効率93.11%(対照 76.41%)——

12-2 有害事象

有害事象は16研究で報告され、そのうち重篤な有害事象が1件あった[7]。著者らの結論は、灸は疼痛緩和において他の治療より有効であり、有害事象の発生率は低い、ただしこれらの知見を検証するにはさらに高いレベルの証拠が求められる、というものである[7]

総有効率という指標について

総有効率は試験ごとに判定基準が異なる二値のアウトカムであり、非盲検では判定者の期待が入りやすい。93.11%という数字を患者への説明に使ってはならない。詳細は第2巻で扱う。

臨床への翻訳

「電子灸が最も有効」という所見は、比較の設計上、他の条件も同時に違っている可能性を含む(第11章と同じ限界)。ただし、施術者が用いる灸の種類を記録に残しておく理由にはなる。種類・頻度・部位を書き残していない記録からは、後で何も学べない。

13刺入深度が問うたこと

日本の鍼灸研究は、膝OAに対して独自の問いを立てている。灸ではなく鍼の研究だが、施術の設計を考えるうえで示唆がある。

13-1 設計

膝OAと診断された26名を対象に、鍼の刺入深度の違いによる治療効果を比較した臨床試験がある。浅刺群は約3mm、深刺群は10〜20mmの刺入で、下肢の圧痛点10か所に10分間の置鍼が行われた[13]

評価指標は、痛みがVAS、運動機能がTimed Up & Go test・20m歩行時間・階段昇降時間、生活の質がWOMACである[13]

13-2 結果

痛みは両群で改善した(p < 0.05)。一方、運動機能はすべての項目で浅刺群のみが有意に改善した(p < 0.05)[13]

この研究の位置づけ

対象は26名であり、鍼の研究である(階層D相当)。ここから灸の刺激量についての結論は導けない。示唆されるのは、刺激は強いほどよいとは限らないという一般的な構造だけである。

臨床への翻訳

痛みと運動機能は、同じ介入に対して別々に動きうる。この試験では、痛みは両群で改善したのに、運動機能は浅刺群だけで改善した[13]。したがって「痛みが取れたか」だけを聞いていると、施術の条件を変えるべきかどうかの判断材料を失う。第6章で挙げた歩行時間の測定は、この点を補う。

第V部

測る・選ぶ

ここまでの知見を、施術室で使える形に組み直す。そして、この分野に残っている空白を言葉にする。

この部を読むと測る軸と時点を決め、灸を選ぶ前に置くべき選択肢を患者に説明できるようになる。

14何を測るか

膝痛は、これまでの巻で扱った訴えのなかで最も測りやすい。使える物差しが揃っているからである。

14-1 3つの軸

表 14-1 施術記録に置く3つの軸
測り方判定の目安
疼痛0〜10の数値評価尺度1.8単位[8]
身体機能WOMAC、または日常動作の聞き取りWOMACで6単位[8]
歩行能力15m最速歩行時間(実測)——[6]

加えて、患者がX線を撮っている場合はKL gradeを記録する。第10章の表を使った説明が可能になる[5]

14-2 測る間隔

本書で引用した試験の治療期間は4週間である[5][6]。追跡は12週まで行われている[6]。この設計を踏襲すると、初診・4週・12週で測るのが報告値と対応する。

臨床への翻訳

初診時に疼痛(0〜10)と15m歩行時間を取り、4週で再測して継続の可否を決める。12週でもう一度取る。それだけで、自院の記録が試験の設計と同じ時間軸に乗る。特別な器具は要らない。

15灸を選ぶ前に置くべき選択肢

灸を据えるかどうかを決める前に、この患者にはすでに何が推奨されているのか。国際的なガイドラインの中核を確認する。

15-1 OARSIの中核治療

変形性関節症研究学会(OARSI)は、60の介入について2018年7月までの系統的検索とGRADEによる評価を行い、専門家パネルの投票によって推奨を作成している[11]

膝OAの中核治療(Core Treatments)は、関節炎に関する教育と、構造化された陸上運動プログラム(食事による体重管理を伴う場合と伴わない場合)である[11]

そのほか、外用の非ステロイド性抗炎症薬は膝OAに対して強く推奨され(Level 1A)、アセトアミノフェンは条件つきで推奨されず(Level 4A・4B)、経口および経皮のオピオイドは強く推奨されないと位置づけられている(Level 5)[11]

15-2 鍼の位置づけ

2014年のOARSIガイドラインでは、鍼は特定の臨床サブフェノタイプに対して適切性が不確か(uncertain appropriateness)な治療に分類されている[12]。同じ分類には、アボカド大豆不けん化物、コンドロイチン、松葉杖、ジアセレイン、グルコサミン、関節内ヒアルロン酸、オピオイド、ローズヒップ、経皮的電気刺激などが含まれる[12]

15-3 運動療法の効果量

陸上の治療的運動を非運動対照と比較した無作為化比較試験を集めたCochraneレビューには、54研究が組み入れられた。うち19研究(35%)が適切な無作為化・割り付けの隠蔽・不完全アウトカムデータの処理を報告していた[9]

44試験・3,537人による高い質の証拠として、運動は治療直後に疼痛を減少させた(標準化平均差 −0.49、95%CI −0.39〜−0.59)[9]

同じレビューの報告を100点法で示すと次のようになる[10]

表 15-1 膝OAに対する陸上運動療法の効果(100点法)[10]
アウトカム改善95%信頼区間時点
疼痛12点10〜15治療直後
身体機能10点8〜13治療直後
生活の質4点2〜5治療直後
疼痛6点3〜92〜6か月後
身体機能3点1〜52〜6か月後

著者らの結論は、膝OAをもつ人において陸上の治療的運動は、正式な治療の終了後少なくとも2〜6か月持続する短期的な便益をもたらす、というものである[10]

臨床への翻訳

灸と運動を競合させない。ガイドラインの中核治療は教育と運動であり[11]、その効果は治療終了後2〜6か月持続する[10]。施術者が取るべき位置は「運動を続けられる状態にするために灸を使う」である。膝が痛くて歩けない時期を短くし、運動につなぐ——この順序なら、ガイドラインと施術が同じ方向を向く。

16医療へ戻す判断

以下は本書が引用した知見から導ける整理であり、ガイドラインではない。膝は、進行度によって外科的な選択肢が現実になる関節である。

16-1 医療評価を勧める場面

  • 症状が重く、日常生活が大きく制限されているとき。症状のある患者ではKL gradeとWOMAC得点に正の相関があり[5]、進行している可能性が高まる
  • KL grade 4 と分かっており、疼痛の軽減が得られないとき。この層では有意な効果が示されていない[5]
  • 急性に単一の関節が腫れ、熱を持ち、動かせないとき。これは変形性関節症の経過とは異なる。灸の対象として扱う前に医療評価が要る
  • 外傷を契機に発症したとき。本書が扱った試験はいずれも変形性膝関節症を対象としており、外傷後の膝を対象としていない

16-2 施術を続けてよい場面

医師の評価を受けており、変形性膝関節症と診断されていること。これが出発点である。そのうえで第10章の層別に従って目標を置く。

臨床への翻訳

紹介の判断は、施術者の不安の強さではなく、上の項目の有無で決める。とくに急性に腫れて熱を持つ単関節は、変形性関節症の像ではない。「いつもの膝の痛みがひどくなった」という訴えの中に混ざりうるため、腫脹と熱感は毎回確認する。

17この分野で分かっていないこと

本書の調査範囲で確認できた空白を列挙する。この巻の空白は、これまでの巻とは種類が違う。

17-1 進行度をめぐる空白

KL grade 4 で有意な効果が示されなかったことは報告されているが[5]、この層を主対象として設計された試験は今回の調査範囲では見出せなかった。したがって、進行した膝に対して疼痛以外のアウトカム——歩行、睡眠、外出頻度——がどう動くかは分かっていない。

17-2 伝統的な灸の規模をめぐる空白

392人規模の二重盲検・偽対照試験で用いられたのはレーザー灸である[5][6]。艾を燃やす伝統的な灸で偽灸対照を置いた試験は、本書の調査範囲では110人[14]と150人[15]が最大であった。両者が同じ効果を持つかどうかを直接比較した試験の結果は、今回の調査範囲では見出せなかった。

17-3 日本と併用をめぐる空白

日本の患者を対象に、灸の対照つき試験を行った報告は、今回の調査範囲では見出せなかった。また、灸を運動療法に上乗せしたときの効果を、運動単独と比較した試験も見出せなかった。第15章で述べた「運動につなぐために灸を使う」という設計は、証拠の構造から導いた整理であって、直接検証されたものではない。

17-4 長期をめぐる空白

鍼と灸を併用した試験のメタ解析では、60週を超える長期のWOMAC得点で改善が報告されている一方、4週未満の短期と6〜60週の中期では結果が一定しなかった[16]。この不一致がなぜ生じるのかは説明されていない。

表 17-1 本書で確認した空白の一覧
問い現時点で分かっていること
KL grade 4 への効果有意な効果は示されなかった[5]。この層を主対象とした試験は見出せなかった
伝統的な灸とレーザー灸の同等性直接比較した結果は見出せなかった
日本の患者での対照つき試験見出せなかった
運動への上乗せ効果見出せなかった
効果の時間経過短期・中期・長期で結果が一定しない[16]
臨床への翻訳

この巻の空白は、「効くかどうか分からない」ではなく「どこまで届くかが分かっていない」である。だからこそ、施術者が記録を残す意味が他の巻より大きい。KL grade・灸の種類・頻度・疼痛・歩行時間を書き残していけば、自院の記録が国際的な試験と同じ軸に乗る。この分野で足りていないのは、まさにそれである。

演習

理解度チェック

全12問。選択するとその場で正誤と解説が出ます。各設問は設問文だけで解ける形にしてあり、前提となる研究の条件は設問文の中に書いてあります。自己確認のための演習であり、資格や技能を証明するものではありません。

第I部問題の形3問
Q01 出典:第1章

日本の地域住民3,040人を対象としたベースライン調査では、X線上の膝OAの有病率が54.6%と報告された。同じ調査における「症状のある膝OA」の有病率はどれか。

Q02 出典:第1章

X線上の膝OAが54.6%、症状のある膝OAが24.3%という同一集団の2つの数値から、施術者が持つべき理解はどれか。

Q03 出典:第2章

日本の地域住民コホートで報告された、膝痛と腰痛の併存に関する所見はどれか。

第II部重症度を測る3問
Q04 出典:第4章

Kellgren-Lawrence分類が測っているものはどれか。

Q05 出典:第5章

症状のある膝OA患者392人を対象とした試験のベースライン解析では、KL gradeとWOMAC得点の関係についてどう報告されたか。

Q06 出典:第7章

50歳以上の慢性膝痛患者282人を対象とした無作為化比較試験では、主要アウトカムに臨床的に意味のある最小の差が設定された。疼痛(0〜10の数値評価尺度)についてのその値はどれか。

第III部届く層・届かない層3問
Q07 出典:第8章

症状のある膝OA患者392人をレーザー灸群と偽レーザー群に割り付け、KL grade別に4週後の改善を解析した研究で、grade 1 より有意に大きな改善が認められたのはどの層か。

Q08 出典:第9章

同じ試験でKL grade 4 の患者に有意な効果が示されなかったという報告から、正確に言えることはどれか。

Q09 出典:第10章

X線所見はあるが症状のない人について、施術者が取るべき位置として適切なものはどれか。

第IV部・第V部条件と選択肢3問
Q10 出典:第11章第12章

膝OAに対する灸の43研究・4,008人のメタ解析が、治療レジメンについて報告した所見はどれか。

Q11 出典:第15章

変形性関節症研究学会が膝OAの「中核治療(Core Treatments)」として挙げているものはどれか。

Q12 出典:第17章

灸と膝痛について、現時点で定量的なデータが存在しないのはどれか。

解答ずみ 0 / 12
付録

引用文献

本書の記述はすべて以下の資料に基づく。数値は原著の報告値であり、編者による換算・推定は行っていない。日本語文献の記述は抄録本文から採った。

  1. Tanegashima G, Iidaka T, Muraki S, Horii C, Oka H, Kawaguchi H, Nakamura K, Akune T, Tanaka S, Yoshimura N. Trends in knee osteoarthritis prevalence over a 10-year period in Japan: The ROAD study 2005-2015. Osteoarthr Cartil Open. 2025. PMC11834036
  2. Yoshimura N, Nakamura K. Epidemiology of Locomotive Organ Disorders and Symptoms: An Estimation Using the Population-Based Cohorts in Japan. Clin Rev Bone Miner Metab. 2016. PMC4906121
  3. Yoshimura N, Muraki S, Nakamura K, Tanaka S. Epidemiology of the locomotive syndrome: The research on osteoarthritis/osteoporosis against disability study 2005-2015. Mod Rheumatol. 2017. PMID 27538793
  4. 山口智. 変形性膝関節症の病態と鍼灸治療. 日本東洋医学系物理療法学会誌. 2019;44(2):9-16. J-STAGE
  5. Yan Y, Lin L, Cheng K, Deng H, Qin M, Shen X, Zhao L. Therapeutic analysis of laser moxibustion for different KL graded knee osteoarthritis. Medicine (Baltimore). 2024. PMC11191897
  6. Chen L, Zhao L, Cheng K, Lin L, Wu F, Shen X. Effect of 10.6-μm CO2 laser moxibustion on the fastest 15-m walking time in patients with knee osteoarthritis: a double-blind, sham-controlled, multi-site randomized trial. J Orthop Surg Res. 2023. PMC10666435
  7. Chen S, Liu W, Liang C, Liu H, Wang P, Fu Q. Efficacy and safety of moxibustion for knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis. Complement Ther Clin Pract. 2025. PMID 40184698
  8. Hinman RS, McCrory P, Pirotta M, Relf I, Forbes A, Crossley KM, Williamson E, Kyriakides M, Novy K, Metcalf BR, Harris A, Reddy P, Conaghan PG, Bennell KL. Acupuncture for chronic knee pain: a randomized clinical trial. JAMA. 2014. PMID 25268438
  9. Fransen M, McConnell S, Harmer AR, Van der Esch M, Simic M, Bennell KL. Exercise for osteoarthritis of the knee. Cochrane Database Syst Rev. 2015. PMC10094004
  10. Fransen M, McConnell S, Harmer AR, Van der Esch M, Simic M, Bennell KL. Exercise for osteoarthritis of the knee: a Cochrane systematic review. Br J Sports Med. 2015. PMID 26405113
  11. Bannuru RR, Osani MC, Vaysbrot EE, Arden NK, Bennell K, Bierma-Zeinstra SMA, Kraus VB, Lohmander LS, Abbott JH, Bhandari M, Blanco FJ, Espinosa R, Haugen IK, ほか. OARSI guidelines for the non-surgical management of knee, hip, and polyarticular osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage. 2019. PMID 31278997
  12. McAlindon TE, Bannuru RR, Sullivan MC, Arden NK, Berenbaum F, Bierma-Zeinstra SM, Hawker GA, Henrotin Y, Hunter DJ, Kawaguchi H, Kwoh K, Lohmander S, Rannou F, ほか. OARSI guidelines for the non-surgical management of knee osteoarthritis. Osteoarthritis Cartilage. 2014. PMID 24462672
  13. 宮本直, 伊藤和憲, 越智秀樹, 山田充彦, 大橋鈴世, 糸井恵. 変形性膝関節症に伴う痛みと運動機能に対する鍼治療の効果——鍼の刺入深度の違いによる治療効果の検討. 全日本鍼灸学会雑誌. 2009;59(4):384-394. J-STAGE
  14. Zhao L, Cheng K, Wang L, Wu F, Deng H, Tan M, Lao L, Shen X. Effectiveness of moxibustion treatment as adjunctive therapy in osteoarthritis of the knee: a randomized, double-blinded, placebo-controlled clinical trial. Arthritis Res Ther. 2014. PMC4095686
  15. Ren X, Yao C, Wu F, Li Z, Xing J, Zhang H. Effectiveness of moxibustion treatment in quality of life in patients with knee osteoarthritis: a randomized, double-blinded, placebo-controlled trial. Evid Based Complement Alternat Med. 2015. PMC4320789
  16. Zhu RX, Li X, Yan ZB, Chen C, Zhai W, Zhang HC, Ma WJ, Wang FK, Liu M, Du GS. Efficacy and safety of acupuncture with moxibustion for knee osteoarthritis: a meta-analysis of randomized controlled trials. Syst Rev. 2025. PMC11737046

本書の数値はすべて原著論文の報告値である。編者が計算・換算した値は載せていない。信頼区間・p値・効果量は原著の表記をそのまま用い、丸めていない。日本語文献の記述は抄録本文から採り、二次資料からの孫引きはしていない。本文で扱った知見の確実性は、章ごとにエビデンス階層(A〜E)で明示した。第1版・2026年9月。