灸エビデンス・ライブラリ
Moxibustion & Palliative Care I — 全14章

灸の臨床|緩和ケア① 病態と適応

緩和ケアで最初に決めるのは、据えるかどうかではない。
今この患者に据えない理由が立つかどうかである。

第1版 2026年8月 緩和ケアの枠組み / 評価尺度 / 皮膚・血液・骨 / 有害事象 / チーム医療

3分で要点だけ

本文で示した報告値のうち、この教材の骨格になる3点。

  1. 緩和ケア病棟で鍼灸を行っていたのは回答98施設中6施設6.1%。在宅療養支援診療所で鍼灸師と連携しているのは14.3%だった
  2. 緩和ケアを必要とする成人の38.5%は心血管疾患で、がんは34%灸の臨床試験はほぼすべてがん患者を対象としており、分布が一致していない
  3. よく引用される「血小板2,135回で有害事象なし」は鍼のデータ灸には言及がない。鍼は穿刺の出血、灸は熱傷と感染で、リスクの種類が違う

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序章

この巻が引き受ける範囲

緩和ケアにおける灸を二巻に分ける。この巻は、灸を据える前に決着させておく事柄だけを扱う。症状ごとの効果量と、その数値がどこまで信用できるかは第②巻に置いた。

この部を読むと知見の階層を先に持ち、同じ「報告されている」を階層ごとに読み分けられるようになる。

00この巻の境界と、五つの階層

緩和ケアの患者に灸を据えるかどうかは、効くかどうかより先に、安全に据えられるかどうかで決まる。この巻は前半だけを扱う。読者が本書を読み終えたときに手にしているのは処方ではなく、据えない判断を言葉にする語彙である。

0-1 二巻構成の理由

緩和ケアの臨床では、症状の名前と介入が一対一で結びつかない。「吐き気がある」という情報だけでは、制吐薬が足りていないのか、腸閉塞が始まっているのか、高カルシウム血症なのかが分からない。効果量の議論に入る前に、評価と除外の作業がある。本書はその作業を第①巻に、効果量の議論を第②巻に分けた。

この巻で扱わないこと

症状別の効果量、メタ解析の統合値、偽灸対照試験の結果、研究で使われた経穴と灸法の一覧は、すべて第②巻に置いた。この巻に出てくる数値は、枠組み・実施状況・安全性に関するものに限る。

0-2 エビデンスの階層

本書はすべての知見に階層を付す。同じ「報告されている」でも、盲検化されたランダム化比較試験の報告と、後ろ向きの診療録調査の報告では、読者が負うべき留保の量が違う。

表 0-1 本書で用いるエビデンスの階層
階層研究デザイン典型的な弱点
A診療ガイドライン、盲検化RCT、Cochraneレビュー本数が少ない。偽灸の妥当性が問われる
B非盲検RCT、対照のある比較試験期待効果を分離できない
C系統的レビュー(ただし対象試験の質が低いもの)統合しても元の質は上がらない
D単群前後比較、症例集積、後ろ向き調査自然経過・併用治療と分離できない
E症例報告、実態調査、非査読の報告代表性がない。ただし有害事象の把握には有用
要点

階層Eを切り捨てない。灸の有害事象について最も具体的な情報を持っているのは症例報告であり、RCTではない。RCTは有害事象を主要アウトカムに置かないため、まれで重い事象を拾えない。

0-3 この巻を貫く三つの問い

  1. 緩和ケアが必要な人のうち、灸の研究が行われているのはどの範囲か。
  2. 据えないと判断する根拠を、どこから持ってくるか。
  3. 据えた結果を、どの言葉で他職種に渡すか。
第I部

緩和ケアという枠組み

灸を緩和ケアに位置づけるには、まず緩和ケアの側の輪郭を知る必要がある。対象は誰か、いつ始まるか、そして日本で灸はその中にどれだけ入っているか。

この部を読むと緩和ケアの対象と開始時期を、WHOの定義と日本の実施率という数字で語れるようになる。

01緩和ケアは終末期医療ではない

緩和ケアを「治療がなくなった人に行うもの」と理解していると、適応判断を誤る。世界保健機関(WHO)の定義は、開始時期を終末期に限定していない。

1-1 WHOの定義

WHOは緩和ケアを「生命を脅かす疾患に関連する問題に直面している患者(成人および小児)とその家族の生活の質を改善するアプローチ」と定義している[1]。この定義に「終末期」「予後」という限定はない。

さらにWHOは、緩和ケアについて「疾患の経過の早期に検討されたときに最も効果的である」とし、早期の緩和ケアは生活の質を改善するだけでなく、不必要な入院と医療サービスの利用を減らすとしている[1]

1-2 必要と供給の隔たり

WHOによれば、毎年およそ5,680万人が緩和ケアを必要としており、そのうち2,570万人が人生最後の1年にある[1]。一方、必要としている人のうち実際に緩和ケアを受けているのは、世界全体でおよそ14%にとどまる[1]

臨床への翻訳

「緩和ケア=終末期」という理解は、鍼灸師の適応判断を二重に狂わせる。第一に、抗がん治療中の患者への介入を「まだ早い」と誤って除外する。第二に、終末期の患者に対して「もう緩和ケアだから何をしてもよい」という逆の誤りを招く。WHOの定義に開始時期の限定はなく、同時に、状態に応じた適応判断の免除もない。

02必要とする人の三分の二は、がん以外である

緩和ケアの対象疾患の分布と、灸の研究が行われている疾患の分布は、大きくずれている。このずれは本書全体で最も大きな空白の一つである。

2-1 疾患分布

WHOは、緩和ケアを必要とする成人の大多数が慢性疾患を持つとしたうえで、内訳を次のように示している[1]

表 2-1 緩和ケアを必要とする成人の疾患分布(WHO)
疾患割合
心血管疾患38.5%
がん34%
慢性呼吸器疾患10.3%
AIDS5.7%
糖尿病4.6%

WHOはこのほか、腎不全、肝疾患、多発性硬化症、パーキンソン病、認知症などを挙げている[1]

2-2 灸の研究はどこに集まっているか

本書が第②巻で扱う灸の臨床試験は、系統的レビュー・メタ解析のレベルまで含めて、対象がほぼすべてがん患者である。Cochraneレビュー[8]、消化器症状の系統的レビュー[17]、がん疼痛のメタ解析[18]、いずれもがん患者を対象としている。

がん緩和ケアにおける鍼・灸およびその関連療法を横断的に検討した系統的レビューの概観も、対象はがん患者に限られている[7]。心不全・慢性閉塞性肺疾患・腎不全の緩和ケアにおける灸を検証したランダム化比較試験は、今回の調査範囲では見出せなかった。

臨床への翻訳

非がんの緩和ケア患者に灸を提案するとき、根拠として引けるがん患者の研究はない。この場合に言えるのは「この疾患群での灸の研究は見当たらない」であり、「がんで効いたのだから同じ症状にも効くはずだ」ではない。症状が同じでも、症状を起こしている病態と併用薬が違えば、外挿は成り立たない。

03日本で、灸は緩和ケアの中にあるか

日本の緩和ケアの現場に鍼灸がどれだけ入っているかを調べた実態調査がある。数字は小さい。この小ささが、本書の読者が置かれている状況そのものである。

3-1 緩和ケア病棟での実施状況

高梨らは、緩和ケア病棟入院料加算を受けている244施設を対象に調査を行い、回答が得られた98施設のうち鍼灸治療が実施されていたのは6施設(6.1%)であったと報告している[2]。対象となる愁訴として挙げられていたのは疼痛・倦怠感・便秘である[2]

3-2 在宅緩和ケアでの連携

同じ研究グループは、在宅療養支援診療所を対象とした調査も行っている。297施設に調査し、98施設から回答(回答率33.3%)を得た。末期がん患者のケアで現在鍼灸師と連携しているのは14施設(14.3%)、過去に連携経験があるのは9施設(9.2%)であった[3]

階層の注記

両調査とも横断的な実態調査であり、階層Eに相当する。回答した施設が全体を代表しているとは限らず、鍼灸に関心のある施設ほど回答した可能性(回答バイアス)を排除できない。実際の実施率はこれより低い可能性がある。

3-3 この数字が意味すること

篠原らは緩和ケアと鍼灸を論じたシンポジウム論文の中で、WHO方式による疼痛緩和が確立している一方で、終末期の中期から後期にかけて十分な疼痛管理ができていないケースが少なくないこと、そうした愁訴に対して鍼灸を含む代替療法が行われつつあるが、その実態や効果に不明な点が多いことを述べている[4]

臨床への翻訳

緩和ケア病棟で灸を行う鍼灸師は、そのチームにおける前例のない存在である可能性が高い。前例がない場では、施術の妥当性より先に、記録と報告の様式が問われる。第12章で扱う「何を渡すか」は、この状況では技術と同等の重みを持つ。

第II部

何を測るか

緩和ケアの研究は、症状を数値化して扱う。どの尺度が何を測っているかを知らないと、論文の結論も、自分の施術の結果も読めない。

この部を読むとNRSとCFSのように、尺度を変えると結論が変わることを具体例で説明できるようになる。

04緩和ケアで使われる尺度が測っているもの

同じ「倦怠感」でも、尺度によって測っている対象が違う。強度を測るものと、多面性を測るものと、他者が観察して評価するものがある。この違いが、第5章で見るように結論を分ける。

4-1 主な尺度

表 4-1 本書に登場する評価尺度と、それが測っているもの
尺度測る対象評価者
NRS(Numerical Rating Scale)症状の強度を0〜10の1次元で患者
BFI(Brief Fatigue Inventory)倦怠感の強度と生活への支障患者
CFS(Cancer Fatigue Scale)倦怠感を身体・精神・認知の多面で患者
STAS-J(日本語版 STAS)症状版症状が生活に及ぼす影響を0〜4で医療者(他者評価)
KPS(Karnofsky Performance Status)全身状態・活動能力を0〜100で医療者
EORTC QLQ-C30がん患者の生活の質を多領域で患者

4-2 他者評価という選択

STAS-J は医療者が観察して評点する尺度である。終末期で全身状態が悪化し、患者自身が長い質問票に答えられない場面では、患者による自己評価が取れない。武田らの症例集積研究が STAS-J を用いたのは、緩和ケア病棟の入院患者を対象としたためである[5]

臨床への翻訳

他者評価の尺度は、患者が答えられない状況でも測れるという利点と引き換えに、評価者の期待が入りうるという弱点を持つ。施術者自身が評点した記録は、施術の効果判定としては最も弱い。第12章で述べるとおり、可能なら評価は施術者以外が行うか、少なくとも「誰が評点したか」を記録に残す。

05尺度を変えると、結論が変わる

同じ研究の中で、ある尺度では改善が示され、別の尺度では有意差が出ないことがある。これは例外ではなく、緩和ケア領域の灸・鍼の研究では繰り返し起きている。

5-1 NRSは動き、CFSは動かなかった

熊谷らは、がん終末期の倦怠感に対する接触鍼の効果を検討した。対象は16例(完遂13例)で、通常治療に加えて2週間に3回の鍼治療を行った。評価には CFS、倦怠感と疼痛の NRS、唾液アミラーゼを用いた[6]

結果は、倦怠感の NRS では治療後に改善が得られ、唾液アミラーゼでも改善が得られたが、CFS では有意差が得られなかった[6]。副作用は認めなかった[6]

階層の注記

本研究は対照群を置かない単群の検討であり、階層Dに相当する。灸ではなく鍼(接触鍼)を用いた研究である点も、灸の根拠として引くときには明示しなければならない。

5-2 この不一致をどう読むか

NRS は倦怠感の強度を1次元で問う。CFS は身体的・精神的・認知的な側面を分けて問う。前者が動いて後者が動かないという結果は、「だるさの主観的な強さは下がったが、倦怠感という現象の全体は変わらなかった」という読み方と整合する。どちらか一方だけを引用すれば、正反対の印象を与えられる。

臨床への翻訳

施術前後の評価に用いる尺度は、施術を始める前に決めておく。施術後に「改善が出た指標」を選んで報告するのは、研究における選択的アウトカム報告と同じ構造の誤りである。あらかじめ NRS と、患者の具体的な行動(食事量・起き上がれた回数・眠れた時間)の両方を決めておけば、この誤りを避けられる。

第III部

据えない理由を先に持つ

この部が本書の中核である。緩和ケアの患者では、据えることの判断より、据えないことの判断のほうが難しい。難しいのは、止める根拠が灸の研究の中にほとんど書かれていないからである。

この部を読むと皮膚・血液・骨・感覚のそれぞれについて、据えない理由を出典つきで言えるようになる。

06施術より先に動くべき全身状態

緩和ケアの患者では、症状の変化が疾患そのものの進行や急性の合併症を示していることがある。施術の前に、その日の状態が「いつもの範囲」かどうかを確認する。

6-1 その場で施術を保留する所見

以下は、灸の研究から導かれた禁忌ではない。緩和ケアの患者において、鍼灸より優先して医療者に伝えるべき変化である。灸の臨床試験は、こうした状態の患者を最初から除外して行われているため、そもそもデータが存在しない。

急激な疼痛の増悪・性状の変化
病的骨折、消化管穿孔、脊髄圧迫などの初発症状でありうる。従来と違う痛みは、灸で対応する対象ではない。
意識状態の変化・見当識の低下
高カルシウム血症、肝性脳症、感染、薬剤の影響などを考える。
新たな発熱
免疫抑制下では発熱性好中球減少症の可能性がある。第8章参照。
呼吸困難の増悪
体位保持そのものが負担になる。施術のための体位変換が状態を悪化させうる。
嘔吐の反復と腹部膨満の増悪
腸閉塞を考える。腹部への温熱刺激を行う場面ではない。
臨床への翻訳

これらの所見に共通するのは、「灸が効くかどうか」が問題ではないという点である。効くかもしれないとしても、原因の評価と対処が先にある。鍼灸師がこの場面で果たせる最大の役割は、施術ではなく、変化に最初に気づいて伝えることである。

07皮膚——照射部位と、ガイドラインの沈黙

灸は皮膚に熱を加える手技である。放射線照射を受けた皮膚に灸を据えてよいかという問いに、直接答えた研究は見当たらない。ここでは、答えの代わりに、隣接する領域のガイドラインが何を言っているかを確認する。

7-1 放射線皮膚炎のガイドラインが灸に言及していない

急性放射線皮膚炎について、多国籍がん支持療法学会(MASCC)は2023年に国際デルファイ法による診療ガイドラインを公表している。予防として光線力学的治療(photobiomodulation)、Mepitel フィルム(乳がん)、Hydrofilm、モメタゾン、ベタメタゾン、オリーブ油が、管理として Mepilex Lite ドレッシングが推奨された[16]。同ガイドラインは、多くの介入について「エビデンス不十分・エビデンスの相反・合意の欠如により推奨されない」と述べている[16]

このガイドラインに灸は登場しない。推奨されていないのではなく、検討の対象になっていない。

7-2 照射された皮膚に対する一般的な生活指導

欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)の放射線治療技師委員会による放射線皮膚炎の実務的推奨では、患者への一般的な皮膚ケアとして、ぬるま湯で毎日洗い、優しく乾かすこと、摩擦を避けるゆったりした衣服を着ること、保湿剤を塗ることが挙げられている[15]。そして温度について、「サウナや日焼けマシンのような極端な温度を避けることも推奨される」と述べている[15]。ただし同文献は、皮膚に反応が出ていなければこれらを許容するオランダのガイドラインもあることを併記している[15]

この記述の限界

ESTRO のこの記述は、サウナや日焼けマシンを念頭に置いたものであり、灸を評価したものではない。灸の局所温度と加熱時間はサウナのそれとは異なる。本書はこの記述を「照射部位への灸を禁じる根拠」としてではなく、「照射部位の皮膚に熱を加えることについて、放射線治療の側は慎重な立場を取っている」という文脈情報として提示する。

7-3 施術前に見る皮膚の項目

  • 放射線照射部位(照射中か、終了後か、マーキングが残っているか)
  • 紅斑・乾性落屑・湿性落屑・びらん・潰瘍の有無
  • 創傷、瘻孔、ドレーン、留置カテーテルの位置
  • 浮腫(皮膚が薄く伸展し、熱の逃げ方が変わる)
  • 感覚低下(第9章)
臨床への翻訳

照射部位への施灸について、賛成の根拠も反対の根拠も、査読済みの研究としては見つからない。この状況では「根拠がないので避ける」が妥当な判断になる。避けたことで失われる利益は不明だが、避けなかったことで生じうる不利益(皮膚炎の増悪、熱傷)は、灸の有害事象として第10章に実例がある。不確実性の下では、不可逆な側を避ける。

08血液——その安全性データは灸のものか

血小板減少や好中球減少のある患者への施術について、しばしば引用されるデータがある。しかしそのデータは鍼のものであり、灸のものではない。この区別を落とすと、孫引きによる拡大解釈が起きる。

8-1 しばしば引用されるデータの中身

Cybularz らは、がん治療に関連した血小板減少のある成人腫瘍患者における鍼の安全性を、後ろ向きの症例集積として検討した。評価対象となった2,135回の施術のうち、血小板数が 100,000/μL 未満であったのは98回50,000/μL 未満であったのは9回であった。紫斑や出血の増加という有害事象は記録されなかった[12]

著者らの結論は次のとおりである。「血小板減少のある成人腫瘍患者を対象としたこの記述的後ろ向き症例集積において、紫斑や出血の増加という有害事象は記録されなかった。これらの初期の観察を確認するには前向き試験が必要である」[12]

同論文は、多くの学術施設と地域病院が 50,000/μL を鍼の禁忌閾値としていることにも触れている[12]

この研究の限界

第一に、これはの研究であり、灸には言及していない。第二に、後ろ向きの症例集積であり、階層Dに相当する。第三に、血小板 50,000/μL 未満は9回しかなく、この範囲での安全性を論じられる標本量ではない。著者自身が「前向き試験が必要」と書いている。

8-2 灸に置き換えたときに変わること

鍼と灸ではリスクの種類が違う。鍼で問題になるのは穿刺による出血であり、灸で問題になるのは熱による皮膚損傷と、それに続く感染である。したがって、血小板減少に関する鍼のデータを灸の安全性の根拠にすることはできない。一方、好中球減少下での感染リスクは、皮膚のバリアを損なう可能性のある灸のほうがむしろ問題になりうる。

灸を受ける血液毒性のある患者について、有害事象を主要アウトカムとして前向きに検討した研究は、今回の調査範囲では見出せなかった。

臨床への翻訳

血算の値は、鍼灸師が自分で決める基準ではない。施設に鍼灸の基準がなければ、その施設が鍼に対して用いている閾値と、灸では熱傷と感染がリスクの中心であることを主治医・看護師に伝え、判断を仰ぐ。「文献では2,135回で有害事象がなかった」と伝えるのは、それが鍼の数字であることを併せて言わない限り、誤った安心を与える。

09骨転移・浮腫・感覚低下

灸で加える熱は、皮膚が感じ取れることを前提にしている。その前提が崩れる状態と、熱以前に物理的な力を避けるべき状態を、分けて確認する。

9-1 感覚低下——熱さを訴えられない

化学療法誘発性末梢神経障害、脊髄圧迫、脳転移による感覚障害、糖尿病性神経障害の併存などがあると、患者は熱さを正確に訴えられない。灸の安全は「熱いと言われたら外す」という患者側のフィードバックに依存しているため、この経路が切れた部位では、通常の刺激量が熱傷になりうる。

9-2 浮腫とリンパ浮腫

浮腫のある皮膚は薄く伸展し、皮下の熱の伝わり方が変わる。またリンパ節郭清後や放射線照射後の四肢では、皮膚の損傷が蜂窩織炎の契機になりうる。灸の有害事象の系統的レビューには蜂窩織炎の報告が含まれている[14]

9-3 骨転移部位

骨転移部位そのものについては、熱よりも、体位変換・圧迫・移動という施術に付随する物理的操作が問題になる。病的骨折のリスクがある部位に体重をかける体位や、患者を支えて起こす動作は、施術の本体ではないが施術に必然的に伴う。

臨床への翻訳

骨転移のある患者で最初に決めるのは経穴ではなく体位である。「どの姿勢なら安全に、かつ患者の負担が少なく保持できるか」が決まって初めて、その姿勢で到達できる部位の中から刺激部位を選ぶ。順序を逆にすると、選んだ経穴に到達するために無理な体位を取らせることになる。

10灸の有害事象の実像

灸は一般に負担の小さい手技とされるが、有害事象が報告されていないわけではない。緩和ケア領域の試験で実際に何が起きたかと、灸全体の有害事象で何が報告されているかを分けて見る。

10-1 がん患者を対象とした試験で報告された有害事象

表 10-1 がん関連倦怠感の試験で報告された有害事象
試験n報告された事象
Han ら 2021(韓国・3施設)[10]96重篤な有害事象なし。灸群で軽度熱傷2例(被覆材と軟膏で対応)。軽微な事象は灸群9名・偽灸群11名・通常ケア群1名
Mao ら 2016(中国・単施設)[11]78直径約5 mmの軽度限局性紅斑3例、3日以内に消失。感染の報告なし
武田ら 2024(日本・緩和ケア病棟)[5]30514回の施術で有害事象を認めず

Han らの試験の灸は点火式と電気式の装置を用いたものであり、その条件下でも熱傷が2例生じている[10]。灸の詳細は第②巻で扱う。

10-2 灸全体の有害事象

Xu らは、灸に関連する有害事象の症例報告を系統的に集め、6か国から報告された24論文・64例を検討した。報告された事象にはアレルギー、熱傷、感染、咳嗽、悪心、嘔吐、胎児機能不全、早産、基底細胞癌、眼瞼外反、色素沈着、および死亡が含まれる[13]。著者らは、体位、施灸時間、艾と皮膚の距離、施術者の習熟度、患者の状態、煙の有無、施術環境が安全性に影響しうると述べている[13]

Park らの系統的レビューは、ランダム化比較試験4件、比較臨床試験1件、非対照観察研究2件、症例報告13件、前向き研究1件を対象とし、主な有害事象としてアレルギー反応、熱傷、感染(蜂窩織炎、C型肝炎)を挙げている。臨床試験で報告された事象には、発赤、水疱、掻痒感、煙による不快、倦怠感、胃部不快、頭痛、熱傷が含まれる[14]。著者らは、実際の発生率を明らかにするには前向き研究が必要であると結論している[14]

階層の注記

症例報告に基づく集計は、分母が分からない。「64例が報告された」は「64例しか起きていない」を意味しないし、頻度も示さない。階層Eの情報は、頻度の推定にではなく、「何が起こりうるか」の把握に使う。

臨床への翻訳

煙と匂いは、有害事象の一覧に明示的に含まれている[14]。緩和ケアでは、悪心のある患者、呼吸困難のある患者、多床室の患者にとって、煙と匂いは効果の前に立ちはだかる負担になる。「煙が出ない方法を選べるか」は、経穴の選択より前に決める項目である。

第IV部

チームの中の鍼灸師

緩和ケアは多職種で行われる。前例の少ない職種としてそこに入るとき、問われるのは技術より先に、何を把握し、何を渡すかである。

この部を読むと施術の結果を、他職種の意思決定を変える形の記録に翻訳できるようになる。

11標準治療の地図を持つ

灸を補完的に用いるなら、何を補完しているのかを知らなければならない。ここでは、鍼灸師が把握しておくべき治療の枠と、統合腫瘍学のガイドラインで灸がどこに位置づけられているかを確認する。

11-1 把握しておく治療の枠

  • 抗がん治療:化学療法・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬・内分泌療法の有無と直近の投与日
  • 放射線治療:照射部位、照射中か終了後か、緩和照射かどうか
  • 疼痛管理:オピオイドの種類・投与経路・レスキューの使用回数、非オピオイド鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬
  • 支持療法:制吐薬、ステロイド、緩下剤、睡眠薬、G-CSF
  • 栄養・輸液の方針、リハビリテーションの介入内容

11-2 統合腫瘍学のガイドラインで灸はどこにあるか

米国臨床腫瘍学会(ASCO)と統合腫瘍学会(SIO)は、症状ごとに統合医療の推奨を出している。灸の位置づけは症状によって大きく異なる。

表 11-1 SIO–ASCO 診療ガイドラインにおける灸の扱い
ガイドライン灸の扱い
がん関連倦怠感(2024)[9]推奨あり。がん治療を完了した成人に対して条件付き(エビデンスの質は低)
がん疼痛(2022)[19]推奨に灸は登場しない。鍼・リフレクソロジー・指圧・催眠・マッサージが推奨されている
不安・抑うつ(2023)[20]推奨に灸は登場しない

倦怠感ガイドラインにおける推奨の中身と、その根拠となった試験の性質は第②巻第4章で詳しく扱う。ここで確認しておくべきなのは、灸が「がん患者に一般的に推奨されている」わけではなく、症状を限って、条件付きで推奨されているという事実である。

臨床への翻訳

「ASCOのガイドラインでお灸が推奨されています」という説明は、対象症状と対象時期を落とすと事実と異なる。正確には「がん治療を完了した成人の倦怠感について、条件付きで推奨されている。がんの痛みについては、同じ団体のガイドラインに灸は入っていない」である。この二文をそのまま言えることが、チームでの信頼の条件になる。

12何を記録し、何を渡すか

緩和ケアの現場で鍼灸師が渡せる最も価値のある情報は、施術の内容そのものではなく、施術の前後で患者の何がどう変わったかである。

12-1 実際に記録された例

武田らは、緩和ケア病棟に入院中で倦怠感に対して鍼灸治療を受けたがん患者の診療録を後ろ向きに調査した。対象は30例(うち女性14例)で、全例が標準的な緩和ケアを受けていた。鍼灸治療開始後1週間以内に STAS-J 症状版が改善した症例は17例(56.7%)、不変は13例、悪化した症例はなかった。施術回数は一人あたり中央値14回、総514回で、有害事象は認めなかった[5]

著者らは「標準的な緩和ケアで症状が改善しないケースに、鍼灸治療は試みる価値のある方法の1つである」と結論し、限界として「多職種によるケアが行われるため、鍼灸単独の影響を評価したものではない」と述べている[5]

階層の注記

後ろ向きの症例集積であり、対照群がない。階層Dに相当する。56.7%という改善率は、鍼灸の効果の大きさを示す数値ではない。同時に行われていた緩和ケア全体の効果、自然経過、他者評価尺度の性質が分離されていない。著者自身がその点を明記している。

12-2 渡す情報の型

「肩が楽になりました」は、チームの意思決定を変えない。変えるのは、他職種が使っている尺度と語彙に翻訳された情報である。

表 12-1 伝わらない報告と、伝わる報告
伝わらない伝わる
だいぶ楽になったようです施術前の疼痛NRS 7、施術30分後 4。持続は約3時間と本人が報告
気持ちよさそうでした施術中に入眠、約40分。夜間のレスキュー使用が前日2回から1回に
食欲が出たようです昼食摂取が前日3割から6割。悪心のNRSは変化なし
問題なく終わりました右下腿に施灸予定だったが浮腫が強く中止。左前腕に変更。皮膚に発赤・水疱なし
臨床への翻訳

記録には、行ったことだけでなく行わなかったことと、その理由を書く。「浮腫のため中止」「照射部位のため部位を変更」という記録は、鍼灸師が安全性の判断を行っていることをチームに示す唯一の証拠になる。効果の記録より、この記録のほうがチームでの立場を作る。

第V部

未解決問題

この巻で確認できなかったことを、次に調べる人が着手できる粒度で並べる。空白を書かない教材は、読者に誤った確からしさを渡す。

この部を読むとこの領域で何が分かっていないかを、次に調べる人が着手できる粒度で渡せるようになる。

13この領域で分かっていないこと

緩和ケアにおける灸について、本書が調べた範囲で答えの見つからなかった問いを列挙する。「研究がない」ことと「効かない」ことは別である。同時に、「研究がない」ことを「たぶん大丈夫」に読み替えてもいけない。

13-1 安全性についての空白

照射部位への施灸
放射線照射を受けた皮膚への施灸の安全性を検討した査読済みの研究は見出せなかった。放射線皮膚炎のガイドライン[16]にも灸は登場しない。ESTRO の一般的な皮膚ケア推奨は極端な温度を避けるよう述べているが[15]、それはサウナ等を対象とした記述であり、灸を評価したものではない。
血液毒性下での施灸
血小板減少・好中球減少のあるがん患者において、灸の有害事象を主要アウトカムとして前向きに検討した研究は見出せなかった。しばしば引用される安全性データ[12]は鍼のものである。
有害事象の発生率
灸の有害事象については症例報告の集積[13]と系統的レビュー[14]があるが、いずれも分母が不明で発生率を示さない。Park らも前向き研究の必要を明記している[14]
感覚低下部位への施灸
化学療法誘発性末梢神経障害などで温度感覚が低下した部位への施灸について、熱傷発生率を検討した研究は見出せなかった。

13-2 対象についての空白

非がんの緩和ケア
WHOによれば緩和ケアを必要とする成人の38.5%は心血管疾患であり[1]、がんは34%である。しかし心不全・慢性閉塞性肺疾患・腎不全の緩和ケアにおける灸のランダム化比較試験は見出せなかった。
終末期そのもの
緩和ケア病棟・ホスピスの入院患者で、全身状態が低下し予後が週単位の患者を対象に、灸を偽灸対照で検証した査読済みのランダム化比較試験は見出せなかった。日本の終末期のデータは、後ろ向きの症例集積30例[5]と単群の検討16例[6]にとどまる。
研究が進みにくい構造
この空白には理由がある。全身状態が低下した患者では、脱落率が高く、質問票への回答が困難で、割り付けの倫理的な正当化も難しい。Mao らの試験でも脱落の主因は「積極的がん治療中の患者の臨床状態の悪化」であった[11]。終末期のRCTが少ないのは、関心がないからではなく、方法論的に困難だからである。

13-3 この巻の結論

緩和ケアにおける灸の判断は、次の順序で行う。効果の見込みは、この順序の最後に来る。

  1. 今日のこの患者の状態が、施術より優先して伝えるべき変化を含んでいないか(第6章)
  2. 皮膚・血液・骨・感覚に、据えない理由が立つ部位がないか(第7〜9章)
  3. 負担——体位、施術時間、煙と匂い——が、本人にとって許容できるか(第10章)
  4. 標準治療で何が行われており、灸は何を補完するのか(第11章)
  5. 変化を、何の尺度で、誰が測って、誰に渡すのか(第4・5・12章)
臨床への翻訳

据えないという判断も、施術の一部である。武田らの調査で悪化例がゼロであったこと[5]は、灸が安全だからというより、据える患者と据えない場面が現場で選別されていた結果とも読める。その選別を言葉にできることが、この巻の到達点である。強い刺激でも、多くの経穴でもなく、負担の総量を最小にしたうえで、変化を測って渡せること。それが緩和ケアで灸に求められている水準である。

演習

理解度チェック

本書の内容から8問。選択するとその場で正誤と解説が出ます。設問はすべて本文に記載した報告値・記述に対応しており、各問には該当章へのリンクを付けました。自己確認のための演習であり、資格や技能を証明するものではありません。

第I部緩和ケアという枠組み3問
Q01 出典:第1章

WHO による緩和ケアの定義に合うのはどれか。

Q02 出典:第2章

緩和ケアを必要とする成人の疾患分布で、WHO がもっとも高い割合を示しているのはどれか。

Q03 出典:第3章

日本の緩和ケア病棟における鍼灸の実施状況として報告されているのはどれか。

第II部何を測るか1問
Q04 出典:第4章

緩和ケアで用いられる評価尺度について、正しいのはどれか。

第III部据えない理由を先に持つ3問
Q05 出典:第6章

緩和ケアの患者で、施術より先に医療者へ伝えるべき変化はどれか。

Q06 出典:第8章

血小板減少のある患者への施術についてしばしば引用される安全性データは、何のデータか。

Q07 出典:第9章

化学療法誘発性末梢神経障害などで感覚が低下している部位に灸を行うとき、問題になるのはどれか。

第V部未解決問題1問
Q08 出典:第13章

がん緩和ケアの領域で、査読済みの研究を見出せなかったのはどれか。

解答ずみ 0 / 8
付録

引用文献

本書の記述はすべて以下の一次・二次資料に基づく。本文に到達できなかった資料はその旨を明記し、その資料からは数値を引用していない。

  1. World Health Organization. Palliative care. Fact sheet. who.int
  2. 高梨知揚, 西村桂一, 前田樹海, 辻内琢也. 緩和ケア病棟を有する医療機関での鍼灸治療の実態調査. Palliative Care Research. 2015;10(1):329-333. doi:10.2512/jspm.10.329
  3. 高梨知揚, 西村桂一, 辻内琢也. 末期がん患者ケアを実践している在宅療養支援診療所医師と鍼灸師の連携に関する調査. 全日本鍼灸学会雑誌. 2014;64(4):196-203. doi:10.3777/jjsam.64.196
  4. 篠原昭二, 原口勝, 福田文彦, 岩崎瑞枝. 緩和ケアと鍼灸. 全日本鍼灸学会雑誌. 2014;64(1):2-17. doi:10.3777/jjsam.64.2
  5. 武田真輝, 林佳子, 梶原龍之介, 土方彩衣, 古谷陽一. がん関連倦怠感に対する鍼灸治療の症例集積研究. 全日本鍼灸学会雑誌. 2024;74(3):167-176. doi:10.3777/jjsam.74.167
  6. 熊谷(木俣)有美子, 田口奈津子, 小川恵子, 岡本英輝, 並木隆雄. がん終末期の倦怠感に対する,鍼治療の効果. Palliative Care Research. 2017;12(4):781-787. doi:10.2512/jspm.12.781
  7. Wu X, Chung VC, Hui EP, Ziea ET, Ng BF, Ho RS, Tsoi KK, Wong SY, Wu JC. Effectiveness of acupuncture and related therapies for palliative care of cancer: overview of systematic reviews. Sci Rep. 2015;5:16776. PMC4660374
  8. Zhang HW, Lin ZX, Cheung F, Cho WC, Tang JL. Moxibustion for alleviating side effects of chemotherapy or radiotherapy in people with cancer. Cochrane Database Syst Rev. 2018;11:CD010559. PMC6517257
  9. Bower JE, Lacchetti C, Alici Y, et al. Management of Fatigue in Adult Survivors of Cancer: ASCO-Society for Integrative Oncology Guideline Update. J Clin Oncol. 2024;42(20):2456-2487. PMID 38754041
  10. Han K, Kim M, Kim EJ, Park YC, Kwon O, Kim AR, Lee HH, Lee JH, Kim JH. Moxibustion for treating cancer-related fatigue: A multicenter, assessor-blinded, randomized controlled clinical trial. Cancer Med. 2021;10(14):4721-4733. PMC8290232
  11. Mao H, Mao JJ, Guo M, Cheng K, Wei J, Shen X, Shen X. Effects of infrared laser moxibustion on cancer-related fatigue: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Cancer. 2016;122(23):3667-3672. PMC5132039
  12. Cybularz PA, Brothers K, Singh GM, Feingold JL, Niesley ML. The Safety of Acupuncture in Patients with Cancer Therapy-Related Thrombocytopenia. Med Acupunct. 2015;27(3):224-229. PMC4491150
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  14. Park JE, Lee SS, Lee MS, Choi SM, Ernst E. Adverse events of moxibustion: a systematic review. Complement Ther Med. 2010;18(5):215-223. PMID 21056845
  15. Forde E, Van den Berghe L, Buijs M, et al. Practical recommendations for the management of radiodermatitis: on behalf of the ESTRO RTT committee. Radiat Oncol. 2025;20:46. PMC11954187
  16. Behroozian T, Bonomo P, Patel P, Kanee L, Finkelstein S, van den Hurk C, Chow E, Wolf JR. Multinational Association of Supportive Care in Cancer (MASCC) clinical practice guidelines for the prevention and management of acute radiation dermatitis: international Delphi consensus-based recommendations. Lancet Oncol. 2023;24(4):e172-e185. PMID 36990615
  17. Yao Z, Xu Z, Xu T, Liu X, Xu S, Wan C, Zhou X. Moxibustion for alleviating chemotherapy-induced gastrointestinal adverse effects: A systematic review of randomized controlled trials. Complement Ther Clin Pract. 2022;46:101527. PMID 34999499
  18. Li Y, Hong E, Ye W, You J. Moxibustion as an Adjuvant Therapy for Cancer Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Pain Res. 2023;16:515-525. PMC9942498
  19. Mao JJ, Ismaila N, Bao T, et al. Integrative Medicine for Pain Management in Oncology: Society for Integrative Oncology-ASCO Guideline. J Clin Oncol. 2022;40(34):3998-4024. PMID 36122322
  20. Carlson LE, Ismaila N, Addington EL, et al. Integrative Oncology Care of Symptoms of Anxiety and Depression in Adults With Cancer: Society for Integrative Oncology-ASCO Guideline. J Clin Oncol. 2023;41(28):4562-4591. PMID 37582238

灸の臨床|緩和ケア① 病態と適応 第1版 2026年8月
本書に記載した数値はすべて原著の報告値であり、編者による計算・推定・丸めを含まない。原著に記載のない値は記載していない。研究デザインの階層(A〜E)は第0章の定義に従い、本文中で判別できるようにした。確認できなかった事項は「今回の調査範囲では見出せなかった」と明記した。
本書は緩和ケアにおける灸の安全性と適応判断を扱う。症状別のエビデンスと効果量は『灸の臨床|緩和ケア② エビデンスと臨床判断』に置いた。
改版履歴:2026年8月 第1版発行。